はだかのこころ | シンシアリー * 心のままに

シンシアリー * 心のままに

何気ない日常です。

私は、ここにいます。




会社に新しく入社された方の歓迎会で、
久しぶりに、蘭子さんのお店に行った。

桜香さん、お久しぶり!

少しふっくらとした蘭子さん。


一緒に飲みましょうよ、桜香さん!

蘭子さんは、いつも強引で自分勝手で、
我儘で、威圧的で…

私には無いものを全て持っていて、
苦手だけれど、
その奔放さが羨ましかったりもする。


あの子が来たのよ!
一人で!
お店のドアを開けて、黙って
こっちを見てるの!
彼氏と一緒?
って聞いたら、
一人だって言うから。
どうぞ、入れば!
って言ったの。
カウンターに座ってね、
何にも話さないから、
歌でも歌う?
って聞いたら、

はい、って。


コーラ、飲みながら、
一曲だけ歌って、帰って行ったわ。

歌いながら、涙を浮かべてさ。
変な子でしょ。

私の顔を見に来たんだろうね。

Tさんも、罪な人だね。

あんな、若い子、振り回してさ。



    そう……

    なんて言う曲?



あいみょんの、裸の心 !






その夜、私は、何度も繰り返し、

この歌を 聞いてみた。



いったいこのままいつまで
1人でいるつもりだろう
だんだん自分を憎んだり
誰かを羨んだり

いつかいつかと
言い聞かせながら
今日まで沢山愛してきた
そして今も

この恋が実りますように
少しだけ少しだけ
そう思わせて
今、私 恋をしている
裸の心 抱えて

バイバイ愛しの思い出と
私の夢見がちな憧れ
優しくなれたよ 少しね
強くもなれたみたい


どんな未来も
受け止めてきたの
今まで沢山夜を越えた
そして今も

この恋の行く先なんて
分からない 分からない
ただ想いを
今、私 伝えに行くから
裸の心 受けとめて


恋なんてしなきゃよかったと
あの時も あの夜も
思っていたの
今、私 また恋をしている
裸の心 震わせて

この恋が実りますように
少しだけ少しだけ
そう思わせて
今、私 恋をしている

裸の心 抱えて




この恋が実りますように…

裸の心 受け止めて…



そう願う彼女の心の叫びが胸に響いて

それは、痛みと哀しみを伴い、

目を瞑り、深呼吸をしながら、


彼女の心と、


私自身の心を、

抱きしめた。





あぁ、


Tさんに会いたい



私の、はだかのこころが


そう、呟いていた。