2024年 1月10日

深夜1時、仕事から帰宅。

昨日新宿まで行けて、やっと回復したかなと思ったのに

一日中、体調が悪化した。

ずっと続いている、首の痛みと頭痛と吐き気だ。

こればかりは仕方がないのかな。

首こり肩こり頭痛は、まさに子供の頃からだった。

だけど今は、その頃よりひどい。

一日三回のロキソニン飲んでても、気持ち悪くなるほどの痛みだから。

相変わらず、仕事のモチベーションもゼロだった。

あの日、「あたしの居場所はここじゃない!」と思った途端

その職場が異世界のように感じた。

あたしはここにいるべきじゃない。

人を助けたいんだ。

そう気づいてからは、仕事中ずっと

パラレルワールドに来たみたいだった。




今あたしに出来るライトワークと言えば、占い師。

タロットは小学生から趣味でやっていた。

中学生ともなると「タロット占いして!」と

話したこともない友達からひっぱりだこになるぐらいには上達していた。

とはいえ、大アルカナだけの占いだ。

そもそも、小学生時代にAmazonでタロットカードを買うことすら出来なかったし

自分の少ないお小遣いを貯めて、買えるところと言ったら本屋さんしかなかった。

本屋には、タロットカードが2000円とかで売っていた。

でも、本にタロットカードが付録としてついてるような感じだから、大アルカナしかなかった。

というわけで、勢いで電話占い師としての面接を受けたのだ。

その面接も、かなり難易度が高かった。

二人の相談者様に鑑定してあげるという面接だった。

もちろん、当たってるとか当たってないとかは関係ない。

あたしは西洋占星術とタロットで、相談者様に寄り添い、「それは大変お辛いですね」と共感し

タロットと西洋占星術で見た結果を伝え、それをもとに今後の立ち回り方をアドバイスした。

それを二人分。

というか、恋愛と不倫の相談だったので

相手の性格も当てないといけないから四人分だ。

その面接結果が、今日届いた。



「この度は占い〇〇〇にご応募いただき、誠にありがとうございました。
面談、選考の結果、採用となりましたのでご連絡を差し上げました」



まさか、受かってしまった。

だけど電話占い師か……。

出勤中は自宅待機してないといけない。

それはとても有難いことだけど

相談する人は、1分何百円とかする高い金額で電話をかけてくる。

だから、きっとあたしみたいなトロい喋り方だとイライラするだろう。

鑑定もアドバイスも、サクサクと早めに終わらせないといけない。

お金持ちな相談者さんなら別に気にしなくてもいいのだろうけど

あたしにそんな大役が務まるのかどうか、不安になってしまった。

本当なら、対面の鑑定士が良かった。

それなら1回の占いで、何千円とか決まってるからだ。

電話占いだと、長引けば長引くほど

相談者に金銭的負担がいってしまう。

それはもちろん、相談者の方も承知の上だというのはわかっている。

だけどあたしは相談者の方に、目を見て声を聞いて、寄り添いながら占いたかった。

これは電話占い師をディスってるわけではなくて

「共感なんてどうでもいいから早く結果を教えて!」と急かされるのが怖いという、あたし自身が小心者なだけだ。

でも今の時代、対面鑑定の求人なんてそうそうない。

ひとつだけあったけど、そこは完全歩合制。

その場所で待機してる間は、時給が発生しない。

相談者が来て、やっとその分の金額の何パーセントかが入るって感じだった。

その場所は知ってるけれど、一度も繁盛してるところを見たことがない。

あたしにお金さえあれば、給料なんて気にせず飛び込んでるのに……。

お金がないどころか、毎月赤字。

ついでに借金もある。

どう考えても、今の給料がいい仕事を辞めてまで転職する意味がない。

生活費がなくなってしまう。

ライトワーカーになりたい。

その思いだけで、お金が入ってくる訳でもない。

あたしは頭の中で、ごちゃごちゃ思考する癖がついていた。

お金がないのが、一番怖い……。

結局、占い師としてのアカウント登録はしたものの

恐怖心から、プロフィールを完成できずにスマホの画面を閉じてしまった。

まずは、転職するよりも

このあたしの自信のなさをどうにかしなければ……。



深夜2時。

お金はどうしたら手に入る?と悶々としてる時に

意外な人物からLINEが来て驚いた。




「愛美、久しぶり。HALさんとの事、知っちゃった。今度うちにいらっしゃい」



リナからだった。