現在勤務している、会社での話です。

 

 半年前までいた、派遣の女性社員を法律が変更する前に追い出した部署がありました。

 

 彼女とは、昼飯時とか、一服するときに食堂や喫煙所でたまに話す程度だったんですが、ちょうど今の時期、雨が多い梅雨時です。喫煙所で雨粒を眺めつつ二人で灰皿をはさんで吸っていたら、「私、またやっちゃうかもしれない」って彼女が言ったんです。

 

 何を?って訊いたら、「別に、観音坂さんは大丈夫だから」って寂しそうに微笑んで、戻っていきました。

 

 言葉の意味が分かったのは、その半年後。

 

 つまり彼女を追いだした部署の末路を見たときです。追い出そうと画策していた社員の一部が使い込みをしていたことがばれて、部署自体が解体して、全員が閑職に飛ばされる事態になりました。

 

 観音坂さんは大丈夫だから、そう言う顔が今でも、忘れられないんです。

 

 なにかこう、妙に悲しそうで。

 部署が解体してから、同期が教えてくれました。

 

 派遣の彼女は、自分ではどうにもならないことに悩んでいたって。

 

 追い出された場所、辞めた会社、だました人、皆がそのあとひどい目に遭うんだと。

 

 自分は望んでいるわけじゃないのに、小さい頃からだから、どうしたらいいのかと。

 

 僕の話は、これで終わりです。