独歩の話、ちょっと似たようなことを僕自身もあるので、話しちゃおうかな?

 

 そのお姉さんが悩んでいた、自分と悪い意味でかかわった人間や場所は、悪い結果しか待っていないっていうところ、そっくりなんだよね。

 

 例えば、こんな小柄で顔は子どもみたいだから、よくいじめにあってた。今じゃモデルとかデザイナーとか、T.D.Dやポッセのメンバーとして名前が知られるようになって、ある程度人気もあるから、なれなれしく「友達でした」なんて近寄ってくる、虫のいい奴もなかにはいる。

 

 僕も、人気商売だからある程度は割り切るけれど、だんだん距離が近づくにつれて、自分も目立ちたいとか、ライブに招待しろとか、無茶ぶりしてくるんだよ。断れば、昔の動画を流すとか脅してさ。何回か左馬刻に相談したんだよね(左馬刻、うなずく)、ポッセのメンバーに心配かけたくなくて、ごめん……帝統泣かないで~。

 

 もうね、自称彼女とか自称親友とかめちゃくちゃなんだよ。教科書やぶいて、人の顔にマジックで落書きする親友や彼女なんていねえっての、ね?

 

 ねえ左馬刻、どうして君に「もう大丈夫」って言ったか、まだ理由を話してなかったね?

 

 あいつら、みんな同じ目にあってるんだ。

 

 僕のライブで騒いで、威張って、泥酔した帰りに行方不明。しかも用もないのに円山町まで行って、そこから足取りがつかめなくなっている。

 

 どうしたんだろうって、家族から連絡がきて数日後、あいつらは円山町のさびれた、ほら、僕がお姉さんに手招きされたアパートの部屋で見つかったんだ。

 

 みんな、見つかる間までの記憶がないんだって。

 

 これって、助けてくれたのかな?

 

 僕の話は、これでおしまいだよ。

 

 幻太郎、そんな顔しないで。

 

 じじいも眉間に皺よせないで、大丈夫だから。