裏切りと秘密はよくないと思うので、ここで打ち明けることにする。
小官はテント住まいなのだが、同じものが届いた。
朝、テントから出ると小官が食材を煮炊きする飯ごうのなかに、件のヒトガタが入っていた。
まったく、せっかく洗ったのにとぶつぶつ言いながら手に取ると、ふたりと同じ、てるてる坊主みたいな形をしていて、爪楊枝が刺さって、腹にあたる部分には名前が書いてあった。
俺の場合は、きわめて惜しいと思った。
理鶯が、理嗚となっていた(ここで全員腹筋崩壊)。
字を間違えているとはいえ、小官になにか呪をかけようと企てる相手がいた、ということは確かだ。そこで、粗塩をまぶし土に埋め、祈りを捧げた。
その夜、食材を抱えて戻ると、テントの入口に木の実が並べられていた。色鮮やかな、しかし食べればすぐに死に至るものだとわかった。
まさか、と埋めた場所を見に行くと掘り返されたあとがあり、ヒトガタの上半身が外に出ていた。
「悪あがきはよせ、正々堂々と挑みに来い!」
ナイフでヒトガタを刺しつつ、俺は作り主に向かい呼びかけた。
朝になり、もう一度埋めた場所を見に行くと、ヒトガタはバラバラになっていた。刺したところからは、赤黒いものがしみ出し、ナイフはひどく錆び付いていた。
芯に使われていたものがむき出しになり、小官は久々に背筋が粟立つのを感じた。
人骨がむき出しになっていたんだ。おそらく、指の骨と思われるものだ。
左馬刻、銃兎、貴殿らは分解しなくて正解だったな。
祈りを捧げ、天へ昇るよう呼びかけたのちに再び埋めなおしたところ、何も起きていない。
入手経路や呪をかける相手が気になるが、あまり深入りすると、戻れなくなりそうだ。
小官の話は以上だ。今は埋めたところに、ひなげしが咲いている。
(ほっこり)