麻雀で素寒貧になり、D子に飯をゴチになってホテルへ先に戻ってまったりしていました、ごめーん★
 
 と、これだけじゃ百物語になんねえから、麻雀の最中、D子から聞いた話でもしよう。
 
 ある国で大きな仕事、とはいえあいつの場合はカジノでイカサマやって、悪い奴が持ってきた汚ねえ金をふんだくるつもりだったようだが、途中でばれて、埠頭にある工場に閉じ込められて、あとはコンクリに詰められ海に沈められるのを待つだけ、っていう時だった。
 
 その工場は、マネキン工場らしく、棚いっぱいに裸の胴体やら腕やら、足やらが積み上げられていたらしい。
 もちろん、顔の部分も、無造作におさめられていた。
 
 あーあ、もうおしまいだあ、ってD子がつぶやいた瞬間、「あははははは!あははははは!」と一斉に、大人数が笑う声がしてきた。
 
 なんだ?って思ってD子があたりを見回したけれど、誰もいねえ。
 
 まさか・・・・・・と、D子は棚に摘まれたマネキンの頭部を見上げた。
 
 うつろなまなざしで、口だけがぱかっと開いて、歯を見せながら一斉に、マネキンの頭部が笑っていたそうだ。
 
「見てたら頭にきちゃって、『笑うんじゃねえええ!』って怒鳴って、そこらへんの棚をよじ登って、窓から逃げたの。大脱出よ!」
 
 笑われていなかったら、今のあたしはいなかったかもねえ。
 
 呑気に言っていたが、D子はあの時ばかりは震え上がったらしい。

 俺の話はこれでBet All。