じゃあ続きはBB二番手、MBこと二郎が引き受けるってことで。

 てんじょうさま、確かにそう言ってたんだ。

 中野さんは、俺らの前でにやにやして「てんじょうさまがいるんですよお」って嬉しそうに。
 
 なんだそれ?って首をかしげていると「片付ける前に、面白いものを見せてあげるから、こちらにいらっしゃい」と、マスクもせずに、ひどく臭っているうち蔵の中へずんずん入って、「ほら、早く」と俺たちに手招きをしてきた。
 
 兄ちゃんを先頭に、俺たちもついていった。

 床もほこりだらけで、しまってある食器とか、古い家具とかもぜんぶほこりをかぶっていて、マスクしていなかったら臭いとそいつにやられて、くしゃみが止まらねえだろうなあって思いながら進むと、中野さんが「ここです、ここ」と自分の足下を指さしていた。
 
 そこだけ、いつも掃除しているように床がぴかぴかで、飴色っつーの?きれいに磨かれているらしく、鈍く光ってた。

 本当に、その一角だけが汚れてねえの。あとはほこりだらけだし、天井だって蜘蛛の巣がはっていたし、「なんであそこだけ、きれいにしてるんだろ?」って、俺の後ろで三郎がつぶやいた。
 
 中野さんは、きれいになっているところに置かれたものを満足そうに眺めて、「ああ、今日も召し上がったんですねえ。まだあたたかい」と言った。

 眺めていたものは、アルミ製の鍋。ほらあの、芋煮とかキャンプとかで使う、でっかい鍋あるじゃん?両脇に取っ手がついてて、ふたがあって、いっぱい作れるやつ。わかる?(なんとなく、と全員うなずく)
 
 召し上がった、っていうことは鍋の中に何か入っていると思ったんだ。

 でも、こんな所にわざわざ来て、食事する奴なんかいるんだろうか。

 疑問ばっかり浮かぶ俺らの前で、中野さんが、鍋のふたを開けて、「これが好きなんですよ、てんじょうさまはねえ」と言ったんだ。
 
 中身は、鶏の生首と、調理前の足だった。

 それらが、なにかにむさぼられたように、食いちぎられていたんだ。

 中華とかで鶏の足の煮込みとかあるけどさ、さすがに生で食わないっしょ?

 とさかを生でかじったりしないっしょ? 

 では、俺はここまで。ラストは三郎な。