今回は俺がトリを務めるということに、なったようだな。
さて、先ほど左馬刻が言っていた、血染め手袋入りバッグの件だが、非常に短い話になるが後日談を小耳に挟んだので、それで7巡目の締めとさせていただこう。
件の手袋だが、左馬刻が言っていたとおり、鑑識の見立てではおよそ19世紀後半、血液も同時代のものだということが分かった。しかも日本ではなく、遠くイングランドかどこか、金持ちが持つ絹製の手袋だった。つまり、婦人用というわけだな。
こちらとしては、厄介だけれども証拠品として保管しておかなくてはならない。そこで、手袋が見つかった場所や日付等を記載した目録とともにパウチつきビニール袋に入れて、段ボール箱に入れて、専用の部屋に移動させた。
数日後、やはり気になって保管場所へ赴き、調べようと段ボール箱を開けた。
手袋だけが消えており、ビニール袋と、目録だけが残されていた。
ああそうだ、奇妙なメモがひとつ、その代わりに入っていたな。
英語で「Don’t Go Deep」、深入りするなと書いてあった。
茶色く、シミだらけの紙に、赤黒いもので走り書きされていた。
一応報告し、鑑識にまわしたところ、こんな回答がかえってきた。
メモに使われた紙はやはり19世紀後半のもの、赤黒いものは同時代の、血液だったそうだ。
さあて、見えない犯人は今頃何をしているのやら。
これでMTCの、不思議なヨコハマ物語はおしまいだ。