というわけで俺が、三郎にかわって続きを話すんだが、まあこいつが言っていた通り、事務所、つまり萬家ヤマダの事務所だな、そこで妙な事が起きるようになった。

 

 先ず、朝になってカーテンを開けると、手すりにずらっとカラスが並んでいた。

 

 窓ガラスを叩いたら、すぐ飛んで行ったが、翌日もその翌日も、並ぶようになった。

 

 俺ら兄弟以外に、バイトとかも雇っていねえんだが、なぜか他の奴がいる気配が始終するようになる。

 

 あるときは、ラックにかけたはずのスリッパが、床にちらばっていた。三郎がドジやったのかと思ったら、スリッパのつま先がみんな、5センチぐらい切れていた。

 

 ひとつ、ふたつならわかるんだけど、ぜんぶ切れてるってなったら、さすがにおかしいだろって、俺も兄ちゃんに相談したんだ。

 

 兄ちゃんは、マイクからノイズがするって言った。

 

 まさかと思って、俺も自分のヒプノシスマイクの電源を入れてみた。

 

 最初、起動音がして、あとは充電さえしちまえばアラームとかもならないはずなんだ、みんなもわかってるよな?な?(全員自分のを確かめている)

 

 ノイズっていうのが、ハウリングとか、かさかさとかいう乾いた音ならわかる。いろんな音を拾っちまうことがあるから、それもわかる。

 

 でも、それがぜんぶ……赤ん坊が泣く声だったら?

 おぎゃあ、おぎゃあ、おぎゃあって、何人も、折り重なるようにして。

 

 カラスに、ノイズに、部屋に満ちる妙な気配。

 

 俺らもいい加減、どうしたらいいか困って、3人で考えた。

 

 まずは、正体を知らなきゃいけないって。

 

 俺の話はここまで、最後は、兄ちゃんお願いします。