夜中に、ふと目が覚めて、外が騒がしいのに気がついたんだよな。
なんか、「がんばれー、がんばれー」と外で叫ぶ声と、低いパーカッションが響いてくる。
 
 枕元にあった、スマホの画面で時間を確かめると、午前3時。
 
 こんな時間に、運動会する学校なんかないっしょ?
 
 けどさぁ、どんどん、どどんという音はでかくなるし、がんばれとか、いっしょうけんめいとか、ポジティブな言葉が飛び交ってくる。
 
 うるせえな、まだ真夜中なのに。
 昼間にしてくれよ。やめろよ。
 
 そんなことを、頭のなかでぶちまけていたときだった。
 
「……やめないよ」
 
 目の前に、赤白帽をかぶった、ハクビシンがにやりとして、消えた。
 
 おいらの話は、これでおしまい。