学校って、七不思議とか不気味な言い伝えってあるっしょ?

 俺が通う高校に伝わってんのが、屋上近くにあるでかい鏡に顔をうつすと、うしろに自分の「死に顔」が見えるらしいんだよなあ。

 ベタな話だって言えばそれまでなんだけど、下校時刻過ぎて、誰もいねえとき、鏡の前に立つと見えるんだって。

 まあ、俺もよせばいいんだけど、やってみちゃったわけよ。
 
 結果は、死に顔なんかどこにも、うつっちゃいなかった。
 
 そのかわり背中に、べったりと骸骨がはりついていた。

 慌てて階段を降りて、逃げるようにして帰ろうとダッシュして、校門を出た。
 
 スマホに、着信があって、何も見ずに出ちまった。
 
「……逃げるな」
 
 びゅうびゅうと、男の低い声の後ろで、強い風が吹く音がした。

 なあ乱数、鏡ん中って、実はひどい世界なんじゃねえかな?

 というわけで、鏡に関する話は、これで終わり。