ねえ、二十歳までに忘れないといけない言葉があるって、小学校の頃にはやらなかった?たとえば、赤い沼とかさ。

 僕が覚えているのは、紫の鏡ってやつ。

 今思うと、何で二十歳までに忘れないといけないんだろうって感じだよ。

 女の子たちはこわいって、騒いでいたけれど、僕は「どうせ、迷信だろう」と思い込んでいたんだよね。

 ある日、イベントでステージに出る前、全身チェックしようとして合わせ鏡にしたんだ。

 合わせ鏡って、みんな知っていると思うけれど、鏡面を向かい合わせにしたところて、奥へ奥へと同じものが続くじゃん?

 その中に、一枚だけ紫色の鏡があった。

 ていうか紫色に塗りつぶされているようになって、何もうつっていない鏡が。

 特に何も起きていないけれど、これから何か起きるのかもしれない。

 偶然だけど、13枚目だったんだよね。

 鏡の話は、これでおしまい。