さっき、銭湯の話で思い出したんだ。

 

 合歓とまだ一緒に住んでた頃、ああ、親父が亡くなった直後かな。

 

 俺もいろいろバイトだなんだって掛け持ちしていて、帰るのは毎晩遅かったから、合歓には戸締りだけはちゃんとして寝るように言っていた。

 

 で、深夜二時ぐらいかな?ようやくバイトが終わって、帰宅したころだ。

 

 電気もついていねえ、バスルームからザー、ザーって水が流れる音がした。

 

「合歓、どした?」

 

 声をかけたが、返事がねえ。

 

「おい合歓、なんかあったのか?電気つけろ、どうした?」

 

 再びよびかけると、「お兄ちゃん?どうしたの?」って、寝ぼけた顔をして、合歓が部屋から起きてきた。

 

「え?」

 

 思い切って、バスルームのドアを開けたら、誰もいなかった。

 

 シャワーも流れていねえし、なにより、合歓が掃除したあとだったんだ。

 

 何度かこういうことがあってな、今はあの部屋を引き払って、ほっとしている。

 

 短いが、これで終わりだ。

 

 備考:実体験では自宅で、深夜2時ごろにシャワーを使う音がしましたが、誰もいませんでした。真っ暗でした。

     浴室をリフォームしたらなくなりましたが、なんだったかはわかりません。

     今は必ず風呂掃除するようにしています。