短くて申し訳ないんだが、業が渦巻くといえば、都心もばかにならない。
ある場所……今回ばかりは俺も我が身がかわいいから、詳しくは申し上げられないが、少しは関係あるだろう。
ある機関で、激務を苦にして自殺を図った職員がいた。
新型の小銃で、特許申請待ちだったというブツを使い、脳天を撃ち抜いていたそうだ。
当然、部屋は血だまり、血しぶきで赤く染まる。
業者が来て秘密裏に掃除したがどんなに薬品を使ったり、特別な機械を使って清掃しても、一向に血の色が抜けない。
仕方なく、壁を同じ色で塗りつぶしたそうだ。
俺も知り合いに連れて行ってもらったが、くすんだ赤に塗られた部屋は、一瞬だけ、鉄の臭いがしたような、そんな気がした。
他の建物じゃ、思想犯に拷問した最中に飛び散った血痕が、いつまでも浮かび上がるなんて、噂もある。
なかったことにして使われる部屋、とどまろうとする血痕。
ひた隠しにし、テレビの前で嘘をつくお偉いさん。
あの場所はどこよりも業が深い、そう思わないか?
業に関わる俺の話は、これで終わりだ。