それから翌日の朝…。
柾鷹は自宅のリビングにいた。
母「柾鷹、今日、学校に行くの?休んでもいいのよ?」
柾鷹「…大丈夫だよ。やっぱり行かないと。」
母「そう…。」
登校時間までの間、柾鷹はリビングにあるテレビに反応した。
司会者「続いてのニュースです…。
昨日、○○県のある中学校で事件が起きています。
現場にはリポーターが到着しているようです。
呼んでみましょう…。」
どうやらニュースで中継が繋がるようだ。
リポーター「…はい。こちら現場です…
昨日の早朝、こちらの中学校で事件が発生しました。
それはなんと痛々しい傷害事件と転落事件があった模様です。」
中継が繋がっている…。
柾鷹「!!!」
柾鷹は中学校の全容は映っていないが、自分の中学校だと確信した。
リポーター「なんと昨日の傷害事件、
その被害者生徒のインタビューに成功しました!」
生徒の映像が流れている。
どうやらプライバシー保護のため、顔は映っていない…。
声も変えられている。
リポーター「あなたは加害者の生徒にナイフで手を切られたと聞きましたが?」
被害者生徒「そうっすよ!俺はあいつに殺されそうになったんですよ!」
柾鷹「!!」
顔も声も分からないが、柾鷹は釘原だと直感した。
リポーター「でも、転落したのは加害者の生徒らしいですけど?」
被害者生徒「あいつが勝手に落ちたんすよ!俺は落とされそうになって必死で!」
リポーター「では正当防衛と言う事ですね?」
被害者生徒「はい!」
リポーター「ですが…いじめが原因と噂されてますが…?
それについては?」
被害者生徒「ちょっと待ってくださいよ!俺が悪いって事ですか!?
テレビって根も葉もない噂を信じるんですか!?」
リポーター「そうでは…。
で、では、加害者の生徒は意識不明の重体と聞いていますが、
それについては何か?」
被害者生徒「まず治ったら謝ってほしいですね!俺も鬼や悪魔じゃないですから、
考えてみますよ!」
リポーター「そうですか…ありがとうございました…。」
インタビューの映像は終わった…。
柾鷹「………。」
そう…あの時、範一は校舎の3階から落ちた…。
運よく…下は茂みになっていて、一命は取り留めたが重体だ。
学校はその後、大騒ぎになり突然の休校になった。
どこから聞きつけたのか、
テレビ局やマスコミなどが駆けつけ学校は騒然となった。
このインタビューは、その時録画されたものであろう。
リポーター「では、一度スタジオにお返しします!」
司会者「はい、ありがとうございました。
それにしても何とも複雑な事件ですね。」
女性アナウンサー「そうですね。
被害者が加害者に…加害者が被害者に…
と変わっていても不思議はないですからね…。」
女性アナウンサーは真剣に受け止めている。
司会者「そうですね。この事件についてどう思われますか?」
司会者は側に座っている、コメンテーターに意見を聞いた。
コメンテーター「う~ん。そうですね~。
私も数々の事件を見てきましたが、何とも言えないですね~。
事件性を考えると、
加害者と被害者に分かれると明らかですからね~。
今でさえ、法律は厳しくなってきてますが、
少年犯罪は難しい所なんですよ~。」
柾鷹「…。」
柾鷹にはコメンテーターの言葉の意味は理解しきれていないが、
まともな言葉を言っていないように聞こえていた。
司会者「あ、ありがとうございます。」
女性アナウンサー「で、では続いてのニュースをお伝えしたいと思います。
この中学生傷害転落事件の詳細がわかりましたら、
また…・。」
ニュースは続いている…。
柾鷹「…母さん、学校行ってくるよ…。」
母「そう…気を付けるのよ。」
柾鷹「うん…。」
そして柾鷹は学校に向かうために家を出て行った。
柾鷹(…なんで…なんで…あんな事言うんだ…)