一般論なき世界 | aimai みえないチカラ

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乳がん患者です。
好きなことだけ書いてます。


この本読みましてん。

aimai ミエナイチカラ~癌克服blog

「がん 生と死の謎に挑む」

ちょっと前に読んだんですが9月は色々あって記事にできなかったので、今日UPします。

今更なんですが…
ワタシは全身への転移がん患者なので
これから書く内容も、その立場で書いてます。
なので、もし不快に思われたらごめんなさい。

まあ…これ、特にお勧めってわけでもないんです。
というのは、
あまりにも、現実を淡々と取材しているため、読んだらショックを受ける人もいるかも。

ただ、私自身がとても現実的な人間なので
ブログに書くことをお許しください。


こちらの本、2009年に放送されたNHKスペシャルの本です。
補足本とでもいいましょうか。。
私が読んだのは文庫ですが、単行本が以前から発売されていて
それにはNスペで放送された番組映像がDVDで付録として付いています。

私は4年前の放送を観てないので、この本を読んでからNHKオンデマンドで番組を観ました。

番組を観てから本を読んだほうが分かりやすいです。
ただ、放送には時間などの制限がどうしてもあるため、取材の全てを番組にできなかったみたいで、
本には放送されていない内容も書かれています。

あと、著者の立花隆さんの、膀胱がん闘病の記録とともに
ご自身の生死観に関わる記述もあります。


で、
この番組自体4年前のものですが
今観ても、内容は古くないです。
4年前のこの段階で、最近よく話題になってる「がん幹細胞」についてはすでに取材されてます。


がん発覚以降、

なぜ自分が乳がんを抱えることになったのか?
「がん」とは本来何なのか?

それを知りたかったのです。


人類は、転移した「がん」をなぜ治せないのか?

そもそも「がん」とは何なのか?


自分が今一番知りたかったことが、この映像の中にあり、この本の中にありました。
あくまでも、今の段階で分かっていることだけですけど。


何よりも、特効薬が開発できない理由が分かったような気がしますし、特効薬はこれからも容易には開発されないでしょう。
がん克服までかかる時間について、海外の専門家は普通に考えて100年。甘い考えで50年って言ってるくらいだから。
何をもってして「克服」とするのか?
著者の立花さんは「がんが普通の慢性病のひとつとみなされるまで」と、位置づけています。
要するに、病気として治すことはできないけど、投薬などでコントロール可能な状態ということですね。


この4年前の放送時点で、
日本のがん死者数年間33万人
世界では800万人
世界全体でがん征圧にかけた費用、数十兆円。。。


薬はそれなりに開発されている。
でも、効かない。
マウスでは成功しても、人間では失敗したりする例は多い。
効くと思っていたら、思わぬ副作用で大問題になったり。
根本的な仮説自体が間違っていたことが、臨床の現場で投薬が始まってから分かったり。。。

混沌としてるなあ。


「がん」は遺伝子の病気で、生きていること自体が「がん」を生んでしまう。

とにかく人によって違いがありすぎて、集めたデータも簡単に一般化できない…らしい。


がんはどんな状況でも、自分が生き残るために何だってする。

それは人間が本来持っている、自然治癒力などの人体を正常な状態に持っていこうとするチカラ、「恒常性」の維持と同じにみえます。

私はその「恒常性」を信じて、がんをなんとか抑えることができるのでは?と考えていたのに、それが逆にがんの存在を維持することにつながっているってことに、気づかされてしまったよ。

転移がんのほとんどには、実際、数か月単位の延命効果しか証明できない薬しか開発されていない。
世界中の膨大な研究者が、時間とお金をかけて総力で取り組んでるのに。

過酷な現実だね。


さて、「がん幹細胞」説※にはどれだけ期待できるかな?
本当に劇的に治療は進むのかな?
幹細胞の存在は真実かもしれないけど、
その治療法の着眼点は、だいじょぶなのかな?

こればっかりは、やってみないと分からないですね。
また後からいろんな弊害が出てこないよう、願うばかりです。


ところで
Nスペのこの番組ですが、病気などを扱うと大抵クレームなどが来るそうなのですが
この番組には、全くそれが無かったそうです。
確かによく取材されてると思いますし、事実だけを淡々と映像化してます。
Nスペで放送できなかった分はBSの別枠で番組を制作したらしいのですが、それは観れてないのでいつか観てみたいです。

興味のある方はNHKオンデマンドで観れます。
視聴可能期間が3日間で210円です。
番組の時間は一時間ちょとかな。
タイトルは、本と同じです。

それから
番組と本の中に、取材者である立花隆さんの闘病の記録とともに「生死観」に関わる内容があります。

今のワタシ
にはその全てに共感はできませんでした。

全部を否定はしないけど、全肯定もできない。
それについては、いつか機会があったら書こうと思います。。。(・ω・)/


※がん幹細胞について
がんの親玉(幹細胞)は普段お休みしてるのです。
抗がん剤は分裂が活発な子分の細胞にしか効かないので、抗がん剤投与後は子分が次々に死んでいっても親分はほぼ生き残ります。
子分を殺された親分は、しばらくするとそのことに気づいて、新たな子分を増やすべく活動を始めます。
ちゃんと殺された理由を学習して、さらに強力な増殖能力を身に着けて。(薬剤への耐性ですね)
なので、眠ってる親玉をしっかり殺せばその後子分は生まれない。がんの増悪を防げる。
というのが、がん幹細胞説…らしいよ。