おはようございます
ヘアメイクアーティスト・エマブールの小川敬子です
皆さんの中にも会社を経営されている方やフリーランスとしてお仕事をされている方も多いと思います。
私は8年前に独立をしてフリーランスとして活動をしています。
事務所で仕事をしていたころは当然のことではありますが、会社が決めている内容を1つずつこなすことが仕事でした。
ときには私たちの働き方について事務所側から話し合いの場を設けられることがありましたが、年に1・2回あるかないか程度です。
フリーランスとなってからは「個人事業主」という形で働くことになるので、カメラマンさんを始めイベント会社やブライダル関連企業から一般の方まで、幅広い方から仕事のご依頼をいただく形になっています。
カメラマンさんからのご依頼でヘアメイクを担当させていただいた
結婚式の前撮りです。
ヘアメイク事務所に所属をしていたころはブライダルヘアメイクが中心でしたが、私たちの仕事内容としてはヘアセットとメイク、そしてそれに関連する業務(介添えやそのほかの雑用)までで、クレーム対応や結婚式場との直接的なやり取りなどに関しては事務所がすべて請け負ってくれていました。
フリーランスになると個人であっても事業をしていくのは私自身になります。
そのため今までは事務所が請け負ってくれていた企業様との直接的なやり取りやクレーム処理なども、すべて自分で対応をしなければなりません。
その中でも一番怖いのがクレーム対応です。
クレームが発生した場合、謝罪をすることはもちろんですが、内容によっては仕事にかかる経費や損害などのすべてを全額支払わなければならないことも出てきます。
事例として、結婚式で撮影をしていたプロカメラマンが保存していた撮影データがすべて消えてしまい、結婚式の費用を全額負担しなければならなくなったと聞いたこともあります。
そのようなことがあってはならないので、クレームが起こらないようにある程度のリスクヘッジをしておくことがとても大切になります。
仕事の中で発生するクレーム事案には2種類あり、「ある程度予想できるもの」と「突発的に発生するもの」に分かれます。
ある程度予想ができるものに対しては、クレームが起きないようにできうる限りのこまかい準備をしておくことで防ぐことができますが、突発的に発生するものに関しては経験値による対応力がとても重要になってきます。
私は美容室やヘアメイク事務所などで下積みをすることはとても大切だと思っています。
オーナーや先輩方から基礎を学びながら、日々突発的に起こるクレームや問題などの対応や接客の仕方などについても間近で学び、身に着けることができるからです。
ヘアメイク事務所に所属をしていたころ。
また、事前に予測できるクレームや問題に対してのリスクヘッジをあらかじめ考えることができるのも、現場で下積みをしながらいろいろな経験値を上げることによって養うことができたからだと実感をしています。
独立してから8年間フリーランスとして活動をする時間の中で、いろいろな企業様やフリーランスの方とお仕事をする機会をいただいていますが、リスクヘッジを始め、仕事をする上で考えておかなければいけないことについてしっかりと自社で決めている企業様やフリーランスの方は少ないように感じています。
私はフリーランスとして個人で仕事をしているので、病気や忌引きで休まざるを得ないことも出てくる可能性があります。
そのようなことが起こらないことが一番望ましいのですが、忌引きに関しては防ぎようがありません。
また、今はコロナ禍。
できる限りのコロナ対策をしていますが、電車で現場まで移動をしているので感染の危険性が無いとは言い切れません。
このような万が一のことが発生したときは、別のヘアメイクさんを代理に立てて仕事をお願いしなければなりません。
そのため私はリスクヘッジとして自分が請け負っている仕事の資料はすべてまとめ、引き継ぐ人が読んで困らないように準備をしています。
「休まなければならなくなったのでヘアメイクをお願いします。」
と突然言われても、引き継いだ人は不安になります。
私だったら不安です。
資料は引継ぎ用としてではなく現場にも持って行きますが、現場にいっしょに入っていただくヘアメイクさんたちからは、
「小川さんが少し席を外していても、資料を見ればなにをすれば良いのかがすぐに分かるのでいつも安心して仕事ができます。」
と言葉をいただいています。
私は、「いっしょに仕事に入ってもらうスタッフが安心して仕事ができないのに、お客様に安心できる技術を提供することなんてできない。」
といつも思っています。
安心と信頼という言葉をコマーシャルなどでもよく耳にしますが、私は安心と信頼は等しくつながっていると考えています。
・安心があるから相手を信頼することができる
・信頼しているから安心することができる
スタッフだけでなく、お客様や企業様と良い信頼関係を築くには「安心感」は欠かせないと、自分が運営していく立場になってからより実感するようになりました。
先日のブログで、お客様の中に濃厚接触者である可能性のある方が2名おられる。という問題が起こったことについて書きました。
コロナというまだ治療薬もできておらず厳戒令が敷かれる中、無防備な状態でコロナに感染する危険性があるにもかかわらず仕事をしなければならないことに開いた口がふさがりませんでした。
*結果、お2人とも濃厚接触者ではなく、私も感染の症状は出なかったので良かったのですが。
コロナ以前からこのような感染症への対策がずさんな仕事がいくつもありましたが、先ほども挙げたように私も人間なので完璧ではありませんし、忌引きのように避けることができない事態が起こることも考えられます。
ここ数日前にも似たようなことがご相談として連絡で持ちかけられたのですが、
(コロナ前からインフルエンザや忌引きなどでの欠勤は可能性として考えられるのに、いまさらなにを言っているんだろう。)
と、その企業への信頼度が下がりました。
そして、私が欠勤する事態が起こったときを想定してのリスクヘッジを話し合うことになったのですが、代替案として「人数分のカルテを作って欲しい」と言うことが上がりました。
先にも挙げましたが、私は自分が欠勤しなければならなくなったときのことを想定したリスクヘッジとして髪型やメイクのカルテも作っています。
ただ、これを作るのにはかなり時間を要します。
それを10人近い人数分を毎回作って欲しいとのご相談が持ち上がったのです。
テレビドラマなどでもよく見られますが、「業者は立場が弱い」。
フリーランスになってからは私も無理な相談やお願い事をされることが多いのでとても痛感しています。
それでも受けてしまうのは、同業他社は数多くいるのでそちらに仕事が回ってしまう心配がある(=仕事が減る)可能性があるからです。
私も今までは同じように考えていてどのような依頼も受けていたのですが、病気になったり顔にヘルペスが出たりと自分の健康面に異常が出たことで、できないことは『できない』と断るようになりました。
今回のカルテに関しても作成にとても時間がかかること、私にも仕事や予定が日々入っていることを理由として伝え、はっきりとお断りしました。
すると、「カルテはこちらで書くので色や髪型の大まかな説明だけアドバイスをして欲しい」と言う内容に変わりました。
8年間フリーランスをしていて分かったことが、「同業他社はたくさんいるが、本当に自分のことが必要であればこちらの意見を受け取ってもらうことができる。また、相談やお願い事を断ったことで契約を打ち切られるのであれば、こちらがていねいな対応を心がけていても相手はなんとも思っていない。」ということです。
前回の濃厚接触者の可能性がある方のヘアメイクの件で、自分の健康や命をけずまってする大切な仕事なんて無いということを痛感しているのですが、自分の業務以外の雑用的なことを頼まれた場合は断って良いと思います。
もちろん、相手との仕事上のつながりや関係性を観ることが前提ですが。
ときには断ることによって関係性が切れてしまうことも出てくると思いますが、断捨離と同じで「空いたスペースに新しいことが入ってくる」ので、そことの関係性は切れてしまっても新しいつながりが出てくるはずです。
自分の健康や命を大切に労力と時間を搾取されないようにしていきたいです。
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