こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
上司が部下とコミュニケーションを取る時、「これはあなたのために言っている」と思いながら、指導やアドバイスをすることがあります。
しかし、「それが実際には部下のためになっているのか?」、疑問に思うことが多いのです。
では、上司が部下に指導やアドバイスする時は、どのようなことを意識すればいいのでしょうか?
それは、「相手のためと考えるのでなく、相手になって考えること」が重要になります。
先程の「これはあなたのために言っている」という考え方の背景に、真摯な気持ちや相手を思いやる気持ちがあることは間違いありません。
しかし、問題はその指導やアドバイスが、本当に相手のためになっているのかどうかが疑問なのです。
例えば、次のような上司と部下のコミュニケーションを考えてみましょう。
部下に家族が増えたことを、上司が知ったとします。
この時の上司のアドバイスは次の通りです。
◆「家族が増えたのだから、もっと仕事をして、家族を喜ばせなければいけないね」
この背景には、上司が経験した高度成長期の考え方や仕事を重視する価値観があります。
しかし、部下の考え方や価値観は、次のように違うことが多いです。
◆「家族が増えたので、もっと家族との時間を増やしたい」
このように、価値観が異なると、同じ事実を前にしても感じることや考えることが違います。
ここで大切なことは、相手の立場や価値観を理解し、それを尊重することです。
そのためには、「相手のためと考えるのではなく、相手になって考えること」がコミュニケーションのカギとなります。
そうすると、相手の視点で物事を考えることができるので、「相手が何を大切にしているのか?」、「どんな変化を望んでいるのか?」を感じ取ることができるでしょう。
もちろん、すぐに相手の気持ちを理解するのは難しいこともあります。
その時は、触接質問することが必要です。
例えば、
◆「家族を持って、何が一番大切だと思う?」
◆「家族が増えたら、何が一番したい?」
といった質問を通じて、相手の立場になって考えやすくなります。
結局のところ、相手のために指導やアドバイスをする際は、自分の価値観やルールを押し付けるのではなく、相手になって考えることが大切です。
それが真の意味の「相手のため」になると思います。
そして、そのようなアプローチをとることで、相手も納得しやすく、結果として良好な関係を築くことができるのです。
最後に、上司のこれまでの経験による価値観やルールは大切になります。
しかし、それを部下に押し付けるのではなく、相手を理解し、相手になって考えることで、より深いコミュニケーションを実現できるのです。
ここが意識できると、風通しの良い職場環境になりますよ。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則