こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お店の販売スタッフさんは、『売りたい』という思いで、商品を売っていることが多いです。
しかし、お客さんが、『買いたい』と思わなければ、どんなに頑張っても商品は売れません。
なので、『どうすれば売れるのか?』と考えるのでなく、『どうすれば買いたいと思うのか?』を考えなければいけないのです。
このことは、次のように分類するとよく分かります。
◆(A)『お店が売りたいモノ』・・・商品そのもの、商品の特徴、メリット
◆(B)『お客さんが買いたいコト』・・・商品を使うことで得られる体験、ベネフィット
このように(A)と(B)とでは、内容が全く違います。
ここの発想に気付いていないと、『お客さんが買いたい』とはなりません。
では、どうすればお客さんは商品を買いたいと思うのでしょうか?
先程、(A)の『お店が売りたいモノ』という発想では、ダメと言いました。
これは、『商品そのもの』や『商品の特徴』、『商品のメリット』を伝えようとするからダメなのです。
これらはどれも、商品に関することなので、極端なことを言えば、お客さんは誰でもかまいません。
しかし、『お客さんが買いたいコト』は、自分が得られる良い体験なのです。
これは、一人ひとりのお客さんによって微妙に違います。
だから、『誰でもかまわない』という発想では、受け入れてもらえないのです。
そのため、目の前のお客さんが、『どんなコトを体験したいのか?』をベースに、商品やサービスを組み合わせる必要があります。
その組み合わせに、『いいかも』と興味を持ち、納得してもらえれば、『買いたい』と思ってもらえるのです。
これは、ただ単に『商品を売りたい』と思っているだけでは、気付かないと言えるでしょう。
ここがハッキリと分かる数値があります。
それが、『客単価』です。
(B)の『お客さんが買いたいコト』を意識していると、『客単価』は高くなります。
逆に、(A)の『お店が売りたいモノ』を意識していると、『客単価』は低くなるのです。
『客単価』が高くなると、当然、一人のお客さんへの対応時間を長く取ることができます。
そうすると、目の前のお客さんのことをもっと知ることができるのです。
例えば、
◆『今、どんなコトで困っているのか?』
◆『これから、どんなコトを体験したいのか?』
◆『そのためには、どんな原因を解消しなければいけないのか?』
◆『解消のための商品やサービスを、どのように組み合させればいいのか?』
◆『タイミングよく提案するには、どのような流れで伝えればいいのか?』
◆『どんな事例を示せば、お客さんにイメージしてもらいやすくなるのか?』
などを考えながら、提案して行くのです。
もしも今、『お店が売りたいモノ』を意識しているとしたら、今すぐ、『お客さんが買いたいコト』に意識を変えて下さい。
そうしないと、これからは、商品がますます売れなくなりますよ。
ご注意を!
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則