こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
販促物の最後に、『何でも、お気軽にご相談下さい』と、書く方が多くいます。
『どうしてこのように書かれるのですか?』と聞くと、
『別に、意味はありません』、『何となく、まとめやすいから』とか、『いつも最後に書いているから』と答えられることが多いです。
しかし、この何の気なく使っている言葉、実は、一番使ってはいけない言葉で、販促物の世界では、『何でも、できます』は、『何にも、できません』と同じ意味にとらえられます。
理由は、『何でも、お気軽にご相談下さい』と言われても、お客さんは、『何を相談したらいいのか?』分らないからです。
つまり、『お客さんから相談されないので、お店は何もできないこと』になります。
だから、『何でも、お気軽にご相談下さい』と書いてはいけないのです。
では、どのように書けばいいのでしょうか?
それは、『何でも・・・』と書いているのであれば、例えば、『こんな問題でお困りの時は、ご相談下さい』と具体的に書けるはずです。
だから、具体的な問題をまずハッキリさせることから始めて下さい。
ちなみに、具体的な問題を10個ほど、箇条書きでいいので、まずは書き出してみるといいでしょう。
折角なので、ブログを読むのを一旦中断して、5分くらいで、実際に書き出してみて下さい。
どうでしょうか?
具体的な問題を10個ほど、スラスラと書き出せたでしょうか?
中にはそのような方もいると思います。
しかし、大抵の方は、2~3個で書き出せなくなるか、最初からあきらめてしまうことが多いです。
もしも、そうだとしたら、『何でも、お気軽にご相談して下さい』と書くよりも、『こちらから具体的な問題が出せないので、お客さんの方から、今困っている問題をお聞かせ下さい』と書く方が素直でよいかもしれませんね。
ところが、そのように書かれても、お客さんも困ります。
なぜなら、お客さん自身も具体的な問題を、すぐに答えられないからです。
これが、悲しい現実になります。
何かと忙しいお客さんに、『具体的な問題を今すぐ答えてくれ』と言われても、なかなか答えられないのは、ある意味仕方がないことかもしれません。
しかし、商品を売ろうとしているお店のスタッフさんが、具体的な問題を今すぐ書けないのはダメなのです。
もちろん具体的な問題がハッキリしなくても、過去の経験で商品を買ってくれるお客さんもいます。
しかし、それ以外のお客さんには、あなたのお店も、あなたの商品も、別に必要のないものと、みなされるのです。
これは、実に怖いことになります。
これが続くと、これから先、ますます商品が売れなくなって行くでしょう。
そうならないために、お客さんの立場で、具体的な問題をハッキリさせてあげて下さい。
そして、『こんな問題で困っていたら、お気軽にご相談下さい』と、具体的な問題を伝え続けて下さいね。
そうしないと、これからはお客さんに振り向いてもらえなくなるはずです。
これが、『何でも、お気軽にご相談下さい』と書いてはいけない訳になります。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則