こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
お客さんをハッキリさせるほど、商品は売れます。
しかし、『お客さんをハッキリさせること』を、イヤがる人が多いでしょう。
これは、『お客さんをハッキリさせること』と、『お客さんを絞り込むこと』を同じと、勘違いしているからです。
ズバリ、『ハッキリさせること』と、『絞り込むこと』は、違います。
『ハッキリさせること』とは、『例えば、こんな事情のお客さんの場合は・・・』と、お客さんの頭の中でイメージしやすくすることです。
一方、『絞り込むこと』とは、『こんなお客さんだけ・・・』と、対象そのものを狭めてしまうことを言います。
このような違いがあるのですが、『同じだ』と解釈してしまう人が多いのです。
『ハッキリさせること』とは、あくまで1つの事例を示すだけになります。
なぜなら、『例えば、このような事情のお客さん』と、1つの事例でイメージしてもらう方が、こちらのメッセージが届きやすいからです。
このメッセージが届くと、『この事例とは違うが、自分の場合は、どうだろうか?』と、お客さんが自分事を考えるきっかけになります。
このようにして1つの事例を示したことで、お客さんに自分事を考えてもらるので、言わば需要を増やしたことになるのです。
つまり、『お客さんをハッキリさせること』は、『お客さんを絞り込むこと』ではなく、逆に『お客さんを増やすこと』につながります。
どうでしょうか?
では、どのようにして、お客さんをハッキリさせれば上手く行くのでしょうか?
それは、『シーン』をハッキリさせることです。
例えば、
◆『今、こんなシーンを体験しているあなたに』
とすると、お客さんがハッキリします。
もしも、そのようなシーンが、なかなか思い付かなかったとしたら、お店を利用されているお客さんに、『この問題は、どのような場面で一番感じますか?』と、聞けばいいのです。
そして、『その時、どんな気持ちを感じましたか?』と、さらに聞き出します。
例えば、『こんなことを言われて、ショックを受けた』なら、
◆『こんなことを言われて、ショックを受けたことありませんか?』とすれば、さらにハッキリするのです。
このように、実際に『体験したシーン』と『その時の気持ち』で投げ掛けると、お客さんをハッキリさせた事例の紹介ができます。
そうすると、『そうそう、そんな体験、あるある』と、自分の体験を思い出してもらえるお客さんが現れるのです。
また、『分かる分かる、その気持ち・・・』と、共感してもらえるお客さんも現れてきます。
このようなことになるのは、1つの事例を、お客さんをハッキリさせて紹介したからです。
これを、いきなり商品を紹介しただけなら、このようには決してなりません。
なぜなら、それは単に商品を売り込んでいるだけだからです。
そうではなく、『お客さんをハッキリさせること』で、このお店は、『ひょっとしたら、私のことを理解し、共感してくれるかもしれない』と思ってもらいやすくなります。
そうしたら、『一度話を聞いてもらおうかな?』と、行動してもらえる可能性が高くなることでしょう。
これが、『お客さんをハッキリさせること』による効果です。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則