こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
人が判断する時は、頭の中で、(A)『感情』と、(B)『理屈』が戦っていると言えるでしょう。
つまり、どちらか一方だけでなく、両方で競い合いながら優先順位を決めているのです。
例えば、『何を食べるのか?』を決める時
まずは、『美味しそう!』と感じてもらうことが大切になります。
なぜなら、(A)の『感情』を刺激する方が、早く反応してくれるからです。
『感情』とは、『こんな感じがスキ!』、『こんな感じがキライ!』、あるいは、『こんな快楽がイイ!』、『こんな痛みがイヤ!』と言う感じ方を表すものになります。
そして、『スキなものに興味を持ち、キライなものを遠ざける』性質があるのです。
また、『快楽を得るためにのめり込み、痛みを避けるために逃げ回る』という特徴があります。
このように、『感情』は、リアル感があるので行動させやすいのです。
そのため、商品を売る場合は、『感情』をまず刺激することから始めることが多いでしょう。
その良い例が、『衝動買い』です。
『衝動買い』に理由はありません。
ただ『イイ!』と感じたから、買いたくなるのです。
だから、『イイ!』と感じても、しばらく買わずにいると、もう欲しくなくなってしまいます。
これは、買うことに理由がないので、説得力がなく、長続きしないからです。
では、なぜ長続きしないのでしょうか?
それが、(B)の『理屈』が邪魔をするからです。
例えば、先程の『何を食べるのか?』決める時、(A)の『感情』で『おいしそう!』と感じても、(B)の『理屈』が『身体に悪そう!』と考えてしまうと、不安になって食べるのを止めてしまいます。
どうでしょうか?
『理屈』とは、『これをすると、こんな結果になる』、『なぜなら、こんな理由があるからです』とか、『こんなことをすると、こんな得をする』、『こんなことをしないと、こんな損をする』のように、正しいか間違いかの根拠を示すことを言います。
だから、『理屈』には、説得力があるので、一度解釈が変わると長続きする性質があるのです。
しかし、小難しい上に、リアル感が少ないので、それだけではなかなか行動させにくい特徴があります。
だから、『感情』と『理屈』の両方のアプローチをすると有効です。
『感情のアプローチ』とは、簡単に言うと、お客さんが抱いている問題や置かれている現状がスキかキライかで投げ掛け、リアル感を感じてもらうアプローチを言います。
また、『理屈のアプローチ』とは、お客さんが思い込んでいる解釈やルールを、『こんな理由があるので、このまま何もしないと損をしてしまいますよ』と、理由を伝えて解釈を変えてもらうアプローチです。
つまり、感情を刺激しながら、理屈で納得させるアプローチを言います。
これをすると、お客さんは、こちらが思っている正しい行動を取ってもらえることが多いです。
もしも今、あなたの販促物で、商品が売れなくて困っていたら、ひょっとしたら、『感情』が『理屈』か、どちらかが不足しているからかもしれませんね。
一度、確かめてみて下さい。
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
伊丹芳則