こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
次回予約を行っているお店が増えています。
理由は、お客さんがどんなに満足されて帰られたとしても、『また来てもらえる』保証はないからです。
もう一つの理由は、次回の来店日をお客さん任せにすると、お客さんに一番良い状態を維持できなくなるからです。
しかし、いくら次回予約を入れてもらったとしても、『ドタキャン』されることがあります。
では、どうして『ドタキャン』されてしまうのでしょうか?
もちろん、お客さんの都合が悪くなったからです。
しかし、『お客さんの都合だから、仕方ない』で済ませていいのでしょうか?
ここで、お客さんと関わる時間の割合を見てみますね。
<例えば>美容室に月1回来店される上得意のお客さんの場合
カットやトリートメント、カラーなどで、月1回、平均2時間だったとします。
1カ月の時間は、24時間×30日で、720時間です。
つまり、
◆(A)『目の前にお客さんがいる時間で、2時間は関わる』
◆(B)『目の前にお客さんがいない時間、718時間は関われない』
関わり時間を割合にすると、『約0.3%』だけの関わりです。
これでは、浅いつながりと言えないでしょうか?
いくら次回予約を入れてもらっていても、電話で『ドタキャン』されたら終わりなのです。
『ドタキャン』されるとは、他の用事の優先順位が高くなったことを意味します。
もしも、もっと深いつながりがあったとしたら、余程のことがない限り、優先順位は変わらなかったのではないでしょうか?
どうでしょうか?
では、どうすれば優先順位を変わらなくできるのでしょうか?
色々と方法はあるでしょうが、関わり時間を増やすことを考えれば、一番のオススメは、『物販』です。
お店で使っている商品を自宅でも使ってもらいます。
<例えば>美容室の場合だと、
シャンプーやトリートメント、ヘアトリートメントオイルなど、これらを使ってもらうのです。
毎日使うことになるので、少なくとも10分は関わることができます。
そうすると、10分×30日で300分、実に月5時間は関われる計算になるのです。
しかも、単に関わるだけでなく、お客さんの髪や地肌に、とっても良い結果をもたらします。
この結果、
◆(A)『目の前にお客さんがいる時間で、2時間は関わる』
◆(B-1)『目の前にお客さんがいない時間で、5時間は関わる』
◆(B-2)『目の前にお客さんがいない時間、713時間は関われない』
となり、これで、お客さんと関わる時間の割合は、『約1%』に増えたのです。
とは言え、まだまだ少ないことに変わりはありません。
それでも、少しはお客さんと関わる時間が増えたので、お店のことを思い出してもらいやすくなるのです。
このように考えると、お礼ハガキやメルマガなどを使うことで、さらにお客さんと関わる時間が増えて行くことでしょう。
そうすると、優先順位が変わらなくなるので、『ドタキャン』される心配が少なくなります。
次回予約を入れてもらっているから安心と思っていたら、危険です。
これは、『ドタキャン』が多いスタッフさんほど要注意になります。
今度、『ドタキャンされたら、お客さんの優先順位が変わったのだな!』と感じて下さいね。
そして、お客さんと関わる時間が少なかったことに気付いて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則