こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
業績が伸び悩んで、困っている社長さんが多くいます。
『何とかしなくては・・・』と思っていても、『どうしていいのか?』、分からないのです。
なので、何もしないまま、時間だけが過ぎて行きます。
そして、『もう駄目だ』と感じてから、やっと動き出すのです。
しかし、これではもう手遅れで、業績を回復させるには、かなりの覚悟がいります。
このようになる前に、どうすればいいのでしょうか?
業績を回復させる考え方は、大きく分けて次の2つです。
◆(1)『数量アップ』
◆(2)『単価アップ』
この2つのうち、どちらかをすれば、業績は回復します。
但し、これを考える時には、必ず『前提条件』を考慮しなければいけません。
なぜなら、考慮しなければ失敗しやすいからです。
その『前提条件』とは、
◆(A)『ヒト、モノ、カネが十分にある』
◆(B)『ヒト、モノ、カネが不足している』
(A)のような状態であったとしたら、(1)の『数量アップ』から行ってもいいですし、(2)の『単価アップ』を行ってから、(1)をやってもいいでしょう。
どちらを選んでも、しっかり対応できるはずです。
しかし、(A)の状態のところは、とても少ないでしょう。
ほとんどが、(B)の状態のはずです。
特に、『カネの不足』と、『ヒトの不足』で困っています。
この状態で、(1)の『数量アップ』をすると、どうなるでしょうか?
『カネの不足』により、十分な回数や規模の販促物ができません。
そのため、1回でなるべく沢山の数量を上げようと考えます。
この場合の数量とは、『客数』や『点数』です。
そのため、大幅な割引きを考えざるを得ません。
最近は、大幅な割引きをしたとしても、反応するのは一部の価格に敏感な客層だけで、リピートしてもらえる客層は集まらなくなっています。
それでも、瞬間的には多くのお客さんを集めるので、それに対応するスタッフさんも確保しなえればいけないのです。
しかし、求人をしてもなかなか応募してもらえず、結果的に高いコストでの求人になります。
つまり、(B)の状態で、(1)の『数量アップ』を考えると、リスクが高いのです。
では、(2)の『単価アップ』だと、どうでしょうか?
『単価アップ』は、何がいいのかと言うと、カネもヒトもモノも、今のまま何も変えなくても、できるところです。
今のまま同じことをやって単価を上げれば、アップした分がそのまま利益になります。
つまり、お金が残るのです。
しかし、『単価アップ』すれば、『ある程度、客数が減る』恐れがあります。
この『ある程度』が重要です。
たとえ、『ある程度、客数が減った』としても、『単価アップ』で補うことができれば、売上げが下がらないので、何も問題はありません。
問題がないどころか、『ある程度、客数が減る』ので、スタッフさんの人数に余力ができるのです。
現状のままの人員で行うとすれば、時間に余裕ができるので、同じ売上げでも、『仕事がラクになった』と感じます。
このようになると、不思議なもので、『仕事が楽しく面白くなるスタッフさん』が現れるのです。
そんなスタッフさんが増えれば、さらに『単価アップ』が可能になります。
しかし、『単価アップ』は、個人差が出るのも事実です。
そんな時は、思い切って『値上げ』をしましょう。
『値上げ』をして、ベースアップすることも、時には必要です。
どうでしょうか?
このようにして、(2)の『単価アップ』することで、カネとヒトに余裕ができれば、今度は(1)の『数量アップ』に取り掛かればいいのです。
カネとヒトに余裕ができるので、落ち着いた対応ができるでしょう。
そうすると、『誰でもいいから来て欲しい』から、『こんなことで困っているお客さに来て欲しい』と、伝えたい相手も変わるはずです。
その時は、決して極端な割引きなど、考えないと思います。
『カネがない時、ヒトがいない時に、業績を回復させたい』と思ったら、ぜひやってみて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則