こんにちは、値上げの専門家(中小企業診断士)の伊丹芳則です。
人が行動を起こす時、次の2つのレベルで判断しています。
それは、
◆(A)『常識レベル』
◆(B)『価値観レベル』
この2つです。
(A)の『常識レベル』とは、過去の経験や他人との関わり方の中から生まれます。
そして、目の前の出来事が、『正しい』か『間違い』で判断して行動するのです。
なので、『ルールによる行動』とも言われます。
大抵は、『なぜ行動しなければいけないのか?』、行動が必要な理由を伝えることができるでしょう。
ルールなので、『別にやりたくなくても、仕方ないからやらなければいけないこと』も含まれるのです。
一方、(B)の『価値観レベル』とは、現在感じているリアルな感覚から生まれます。
そして、目の前の出来事が、『好き』か『嫌い』かで判断して行動するのです。
そのため、『感情による行動』とも言われます。
『ただ、そのように感じたから行動した』という衝動的な感じの行動です。
また、未来に向けて、『こんなことがしたい』とか、『これが欲しい』という願望においても、(B)の『価値観レベル』で判断されます。
このように人は、2つのレベルで判断しているのです。
このように仮定すると、『お客さんとのカウンセリングで何を聞かなければいけないのか?』が分かります。
<例えば>
接骨院の場合
施術をする前に、
◆『どうされましたか?』と、現在の状態を聞くことから始めます。
聞かれたお客さんは、『肩が痛い、腰が痛い、膝が痛いなど』と、今、痛くて困っていること話すのです。
これが、(A)の『常識レベル』で判断した答えになります。
過去の経験や他人との関わりの中から生まれた答えです。
そのお客さんの答えは、多くの間違った思い込みや勘違いが含まれています。
そのため、プロは最初にお客さんが答えた内容から、さらに突っ込んで聞く必要があるのです。
◆『どこで、そのように感じることが多いですか?』
◆『何をしている時に、そのようになりましたか?』
◆『一人の時ですか、誰かと一緒の時ですか?』など
より具体的なシーンを話してもらいます。
そしてその具体的なシーンの中から、プロはお客さんの痛みに寄り添って、原因を察して行くのです。
そうすると、『何が原因で、どんな結果になるのか?』がハッキリして来ます。
原因がハッキリすれば、解決する方法は簡単です。
このように、単に痛みを取るだけなら、これだけでいいのかもしれまいません。
しかし、プロのあなたなら、『痛みの先にあるもの』をハッキリさせて欲しいのです。
それが、(B)の『価値観レベル』の判断の促しになります。
その代表的な質問が、
◆『治ったら、何がしたいですか?』です。
未来に向けて、『こんなことがしたい』という願望を持ってもらいます。
ここがハッキリすると、(A)の『常識レベル』では、『痛くて仕方ないから、治療しなければいけない』と思っていたことが、『しっかり治療して、願望が叶えられるように、本気で取り組みたい』となるのです。
『仕方がないから、治療しなければいけない』と、『しっかり治療して、本気で取り組みたい』とでは、どちらが治療しやすいか分かりますよね。
もちろん、最初は、『痛みを早く解消すること』が大切です。
しかし、ある程度、痛みが取れて来たら、『痛みの先にある望みに、目を向けてもらうこと』が重要になります。
なぜなら、お客さんは、痛みを無くすことが本来の目的ではないからです。
『痛みの先にあるもの』をハッキリさせて、本来の目的を実現することが、プロと言えます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則