こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
飲料の自動販売機が、2005年をピークに年々減少しています。
理由は、飽和状態にあるコンビニの影響が大きいようです。
今やコンビニは、少し探せばある自動販売機のような存在で、品揃えが豊かで、本格的なコーヒーまで飲めるところが増えています。
また、コンビニと自動販売機は似ているところがあって、ほとんど接客がいらず、商品を探して、お金を渡せば商品が簡単に買えるところです。
このやり方は、『結果を今すぐ簡単に手に入れたい人』には、とても便利なお店になります。
一言も話さず、必要な結果が手に入るのだから、いいのでしょう。
この傾向は、他のところでも見受けられます。
<例えば>
昔、銀行の取引業務のほとんどは、受付カウンターでやっていました。
それが今は、かなりの取引業務を、『ATM(現金自動預け払い機)』に任せています。
最近は、銀行の統廃合の結果、『ATMしかないお店』も多いです。
また、家電販売でも、有人の家電量販店から、ネット販売での購入が増えています。
これも、『結果を今すぐ簡単に手に入れたい人』にとっては、とても便利です。
しかし、全ての人が、『結果を重視している』訳ではありません。
中には、家電を買う時に、『どれを選べばいいのか?』迷ってしまう人がいます。
そんな時は、家電量販店の専門スタッフからのアドバイスが必要となるのでしょう。
そのため、家電量販店に行って、専門スタッフから説明を受けます。
◆『今、どんな状況で、どのようにしたいのか?』
◆『条件は、これとこれとこれです』
こんな感じで、こちらの事情を伝えて、その条件に合うものの中から、最適な家電を選べるようにサポートしてもらいます。
このような接客を受けることで、求める家電が決まったとしましょう。
今までは、この流れで、このお店で購入するのが常識でした。
しかし今は、購入する品番さえ分かれば、ネット販売の方が、安いし、配達もラクなので、ネット販売で購入する人が増えています。
こんな傾向が増えているので、家電量販店は大打撃を受けているのです。
ところが、地域で根強く支持されている『街の電気屋さん』は、ネット販売の影響をあまり受けていません。
なぜかと言うと、『結果を重視している人』を相手にしていないからです。
確かに、家電という結果が、安くて簡単に手に入るなら、ネット販売は有利でしょう。
しかし、家電は使えるようにならないと、何の役にも立たないのです。
つまり、『結果でなく、過程が重要』になります。
<例えば>
テレビを購入したとします。
自宅にテレビが届けられただけだと、テレビを見ることはできません。
配線を接続し、設定を入力し、リモコン操作のやり方を覚えて、始めて使えるようになるのです。
また、見たい番組を録画するとなると、またひと苦労になります。
もちろん、自分でできる人は、簡単にできるでしょう。
しかし、そんな人ばかりではないのです。
そんな時、テレビが使えるようになるまで、『その全ての過程を面倒みてもらえる人』がいると安心できます。
なぜなら、分からなければ、聞けばいいからです。
『結果を重視すること』は大切なことだと思います。
しかし、『お客さんが望む結果は、過程を重視すること』から生まれるはずです。
今、便利さを追求して、人を減らし、『結果重視になり過ぎている』ところが多いです。
しかし、このまま、『過程をおろそろかにしている』と、いずれ、『自動販売機のようになってしまうのではないか?』と危惧します。
それくらい、『過程を重視する人』が、無視できない存在になって来ているのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則