こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
悩みのある社長さんのお話しを聞く時は、次の3つの質問をします。
それは、
◆(1)『どうされましたか?』
◆(2)『どうしたいですか?』
◆(3)『なぜそうしたいのですか?』
この3つです。
<例えば>
社長さんに、『どうされましたか?』と、1つ目の質問から始めます。
その答えが、
→『最近、売上げが落ちて来て、前年同月の売上げ比率が90%の月が続き、利益が出なくなって来たんですよ』
という悩みだったとします。
そうしたら、『そうなんですね、利益が出なくなったんですね』と、相槌を打つことが多いです。
そして、その後に、それで、『どうしたいのですか?』と、2つ目の質問をします。
その答えが、
→『売上げを前年同月と同じまで戻したいです』
→『できれば、さらに10%増やしたいと思っています』
とう望みだったとしましょう。
そうしたら、『なぜそうしたいのですか?』と、3つ目の質問をします。
その答えが、
→『売上げさえ元に戻れば、何とかなるからです』
という理由だったとします。
でも、この理由、何だか変だと思いませんか?
『何がどのように、何とかなるのでしょうか?』
そもそもの悩みは、『売上げが落ちて来たことによる利益の減少』で、『何とかなる』とは、『利益が出て、お金が回るようになる』という意味だと思います。
だとしたら、『なぜそうしたいのですか?』の答えは、『お金が回るように利益を出したいから』のはずです。
どうでしょうか?
目先の望みは、『売上げを上げること』ですが、本来の望みは、『利益を増やすこと』です。
この違いは、実に大きいと思います。
<例えば>
『売上げ=客数×客単価』
売上げは、この2つの要素で構成されています。
この場合、目先の『売上げを上げること』を意識すると、どうしても『客数』の方に目が向きやすいです。
そうすると、『何が何でも客数を増やそう』となり、行き過ぎた割引きや過剰なサービスをして、『新しいお客さんを増やそう』としてしまいます。
結果、『売上げを上げること』ができたとしても、『利益率の低下』や『コストの増加』、『ムリ、ムダ、ムラな運営』などで、利益を増やすことができないのです。
しかし、本来の望みである『利益を増やすこと』を意識すると、自然に『客単価』や『リピートしてもらっているお客さん』のことが気になります。
『いつも来てもらっているお客さんに、どうすればもっと喜んでもらえるのか?』と、考えるようになるのです。
そして、このお客さんには、『これをやった方がいいのにな~』と気付くようになります。
そうしたら、それをおすすめすればいいのです。
念のために言っておくと、これは押し売りではありません。
目の前のお客さんにとって、『一番いい内容を紹介して、選んでもらえるきっかけ』を伝えているだけなのです。
お客さんが納得すれば選んでもらえますし、納得してもらえなければ選んでもらえません。
それでいいのです。
ポイントは、『選んでもらえるきっかけ』を伝えているかどうかが重要になります。
もしも、こちらが紹介した内容を、お客さんが納得して選んでもらえれば、『客単価』は結果として上がって行くのです。
そして、このことが上手く行けば、今度は同じような内容を望むお客さんに紹介して行きます。
このようなことを、続けてやって行くと、前年同月の売上げ比率10%増は、簡単に達成できるはずです。
どうでしょうか?
◆『なぜそうしたいのか?』
この質問は特に重要です。
『目先の望み』でなく、『本来の望み』に気付けます。
『本来の望み』に気付くことができて、それを達成する原因を見つけて、その対策を打ち続けていれば、良い結果につながるのです。
しかし、『目先の望み』を、『本来の望み』と勘違いしてしまうと、どんなに努力しても良い結果にはつながることはないでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則