こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
お店でスタッフさんに、『新しいスキル』を身に付けてもらうには、2つの大きな壁を乗り越えてもらわなければいけません。
その壁とは、次の2つです。
◆(A)『当然の壁』
◆(B)『不安の壁』
なぜなら、この壁を乗り越えてもらえないと、『新しいスキル』が上手く身に付かないか、あるいは途中であきらめて止めてしまうからです。
まず、(A)の『当然の壁』から考えていきます。
その前に、そもそも、この『新しいスキル』をなぜ身に付けなければいけないのでしょうか?
お店には、お客さんに提供しているスキルが、現状でもあると思います。
おそらくスタッフさんは、現状のスキルでも、お客さんに喜ばれていると思っていることでしょう。
しかし、もしも、お客さんが現状のスキルに『もの足りないさ』を感じていたり、『いつも同じね』と飽きたりしていたらどうでしょうか?
そこで、社長さんや店長さんは、スタッフさんに『新しいスキル』を身に付けてもらい、お客さんにもっと喜んでもらおうと考えるのです。
しかし、スタッフさんからすると、『別に今まで通りでも、お客さんに喜んでもらえるし、またお店に来てもらえる』と、今まで通りを、『当然』と思っています。
これが、『当然の壁』です。
この『当然の壁』があると、スタッフさんは『新しいスキル』を身に付けることが、邪魔くさく面倒くさくなってしまいます。
さらに悪いことに、『今まで通りでもお客さんが来てくれる』と思ってしまうと、お客さんへの感謝の気持ちが薄れ、仕事が作業になってしまうのです。
そうなると、お客さんの気持ちを察して、『ひと手間かける』ことすら、邪魔くさく面倒くさくなって、お客さんに喜んでもらうことができなくなってしまいます。
このようになったら、もう大変です。
スタッフさんの対応は、本人さんが思っている以上にお客さんに伝わり、それを感じたお客さんは、もうそのお店に来なくなってしまうかもしれません。
こうならないためにも、『お客さんが来てくれるのは、当然ではない』と気付いてもらい、『当然の壁』を乗り越えてもらう必要があるのです。
このようにして、『当然の壁』を乗り越えてもらうことで、『新しいスキル』を身に付けるスタートが切れることになります。
そうなると、今度は、(B)の『不安の壁』が待っています。
スタッフさんからすると、まだ経験していない『新しいスキル』を身に付けるまでには、不安は一杯あるのです。
<例えば>
◆『どうすれば上手くできるだろうか?』
◆『どうすれば失敗せずにできるだろうか?』
◆『どうすれば恥をかかずにできるだろうか?』
などなどの不安があって上手く行かないことが多いです。
このような不安のあるスタッフさんの特徴は、次のようなことがあります。
それは、
◆『自分のことしか見えておらず、相手の存在が見えない』のです。
相手であるお客さんのことを考えずに、自分のことだけ考えていては上手く行きません。
そうではなく、『新しいスキル』を使うことで、『お客さんに、どんないいことができるようになるのだろうか?』、そのことで、『どんな喜びを感じてもらえるのだろうか?』など、自分中心ではなく、お客さん中心で考えるのです。
そうすると、『不安の壁』は少しずつ低くなって来ます。
さらに、
◆『目の前のお客さんが知らないことで、自分が知っていることは何なのか?』
◆『目の前のお客さんができないことで、自分ができることは何なのか?』
◆『目の前のお客さんと一緒に喜べるようにするには、どうなればいいのか?』
などを考えて行くのです。
自分のことばかり考えず、しっかりお客さんを見て、聴いて、今の自分ができることを、目の前のお客さんに役立ち続ければ、『不安の壁』は自然になくなり、『新しいスキル』が身に付いていくと思います。
どうでしょうか?
どうか社長さんや店長さんは、スタッフさんのために、『当然の壁』や『不安の壁』を乗り越える手助けをしてあげて下さい。
そのことが、お客さんにもっと喜ばれる近道だと思いますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則