こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
最近のテレビを見ていると、何も考えなくても楽しめる番組が増えています。
お笑いタレントさんが大勢出て、進行役のMCさんが、それぞれのテーマでお題を出し、それにひな壇で座るタレントさんが答えるようなバラエティ番組です。
または、クイズや疑問、日常生活の裏側を、『これって何ですか?』という問題があって、それに芸能人さん達が答えるという番組もあります。
時には、その道の専門家が出てきて解説するなど、『問題』→『答え』→『解説』と、なかなか考えられた構成です。
どれも、あっという間に時間が経ち、気付けば2~3時間過ぎてしまうこともあります。
しかし、このような、『誰かが問題を出し、誰かが答えて、誰かが解説する』テレビ番組を見続けてしまうと、自分自信はただ見て楽しんでいるだけで、何も考えなくていい習慣が身に付いてしまうのです。
これって、恐くないですか?
このようなテレビ番組が盛んになって来たのは、10~15年位前からで、それまでに大人になっている人には、『この番組、面白いよ』くらいで済みます。
しかし、物事の判断がまだつかない子どもの頃から、この習慣が身に付いてしまうと、『誰かが、何か面白いことやってくれないかな?』と、自分自身は何も考えず、じっとそれを待っているのが当たり前になってしまうことも考えられるのです。
極端な話、『全ては、自分と関係ない』他人事になってしまう危険性もあります。
これは、それまでに大人になっている人達にも、少なからず影響を受けているのです。
『何も考えない』という習慣が身に付いたのは、すべて『テレビが悪い』と言っているのではありません。
そうでないテレビ番組も多いと思います。
しかし、先程のテレビを見続けていると、『何も考えない習慣』になりやすいことは否定できないと思うのです。
<例えば>物販の場合
お客さんがお店に来て、『この商品を下さい』と言われたら、スタッフさんは、『ハイ、いくらです』と言って、商品の代金をもらうだけで終わらせてしまうのです。
すべてが他人事で、『自分と関係ない』と思うからこのような対応ができるのだと思います。
ここで私が、『どうしてそのような対応をするの?』と聞くと、
スタッフさんからは、『だって、お客さんが欲しいと思って買うのだから、それでいいじゃないですか』と答えられることが多いです。
すべてが他人事で、『自分とは関係ない』から、『どんな事情があるのか?』、『どんな場面で使うのか?』も聞かず、『なぜ、この商品が必要なのか?』も考えません。
確かに、このような対応を好むお客さんもいるのは事実です。
しかし、実はそれは少数で、たいていは自分の話を聞いて欲しいと思っています。
でも、『聞いてくれないから、話したくても話せないだけ』です。
では、なぜ、先程のスタッフさんは、お客さんに何も聞かなかったのでしょうか?
それは、お客さんに何かを聞く前に、『自分自身への質問』をしていないからです。
『自分自身への質問』とは?
◆『なぜ?お客さんはお店に来られたのか?』
◆『なぜ?この商品が必要なのか?』
◆『なぜ?それが今なのか?』
この質問を自分自身に問い掛けていないから、お客さんに何も聞かないのです。
この質問を自分自身に問い掛けて、答えを出そうと考えても、ほとんどが分からないことばかりになります。
そうなると、目の前のお客さんに聞いてみようとなるのです。
◆『どうされたのですか?』、『どのような事情があるのですか?』
◆『どんな場面で使うことが多いのですか?』
◆『どこが一番気に入られましたか?』など
商品を選ぶ段階で、雑談を交えながら聞きたくなるのです。
ゆっくりしたい時に、テレビ番組を見てくつろぐことはいいことだと思います。
しかし、目の前で起こっている出来事に、まったく関心がなくなってしまうような習慣にならないような注意が必要です。
そのためには、常に、『なぜ?〇〇なのか?』と、自分自身への質問を忘れないようにすることが大切だと考えます。
それでも、見て楽しいテレビ番組を見たかったら、『なぜ?あの進行役は、今、このタレントに振ったのか?』と、自分自身へ質問しながら見て下さい。
『そうか、この笑いを取りたくて、振ったんだな』と、そのうち分かるよになります。
このようにして、テレビ番組を見ていると、『お客さんに聞く時のタイミングや聞き方』の勉強になるから不思議です。
ゆっくりくつろぐことはできませんが、一度試して見て下さい。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則