こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
昔、中小企業診断士の資格を取る時に、合格したかったら、『1日4時間、250日、合計1000時間』の時間を確保することと言われました。
その習慣が守れないなら、苦しむだけだから、受験しないほうがいいですよと。
さらに、資格を取ってからも、1つの分野で、その10倍の『1万時間』を費やさないと、専門家としてみられませんよ。
とも言われました。
その時は、もう一つピンときませんでしたが、今ならそれがよく分かります。
何が言いたいかというと、
人は、何かの資格や技術を身に付ける時に、自分の能力やセンスを気にします。
そして、少しでもうまくいかないことがあると、『自分には向いていない』と思って、すぐにあきらめるのです。
でも、実際の問題は、能力やセンスではなく、『時間の長さ』になります。
どれだけ、『時間を掛けたか?』なのです。
何でもそうですが、新しい技術を身に付ける時、最初からうまくいくことはそんなに多くはありません。
ほとんどが、失敗の連続です。
なので、途中であきられないことが大切で、そのために『時間の長さ』が必要なんです。
<例えば>
店頭看板が一人前に書けるようになるために、『100時間』かかるとします。
そうしたら、目標を、『店頭看板が一人前に書けるようになる』としてしまっては、挫折して、あきらめてしまって、一人前になれないのです。
そうではなく、『店頭看板の時間目標、100時間』とします。
まずは、内容よりも、『店頭看板を書く時間目標』を達成するのです。
週に2時間、店頭看板を書いていくと、1年間で100時間になります。
とにかく、最初は、能力やセンスよりも『時間の長さ』なのです。
このことが分っている職場だと、仕事がとてもラクになります。
しかし、現実は、能力やセンスを気にするスタッフさんが多いです。
なので、今の能力やセンスに合った仕事だけをすることが多くなります。
このスタッフさんにとっては、『現状維持』が、最大の目標なのです。
一方、先ほどの『時間の長さ』の大切さを理解してくれたスタッフさんは、こちらが求める仕事に合った、能力やセンスを身に付けようと時間を使ってもらえます。
なので、スタッフさんと、『時間目標』を決め、当面の目標として、行動してもらえばいいだけです。
時間が経てば、たいてい、能力やセンスは身に付いています。
もちろん、個人差があるので、目標の時間内ではうまくいかないスタッフさんもいるかもしれません。
しかし、それは、『時間の長さ』が違うだけと考えます。
スタッフさんが悪いわけではなく、『時間の長さ』が短かったのです。
大切なのは、能力やセンスではなく、能力やセンスを『身に付ける時間』になります。
能力やセンスは、1つのツール(道具)のようなものです。
ツールを持つことは大切ですが、いくらツールを持っても、その使い方やコツが身に付いていなければ、何の役にも立ちません。
ツールを使いこなすコツは、時間をかけないと身に付かないのです。
逆にコツさえつかめば、能力やセンスはどんどん高くなって行きます。
一番大切なことは、『時間の長さ』だということを理解して、仕事に合った能力やセンスを、どんどん身に付けさせて下さいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則