今日は、『言葉』について考えてみたいと思います。
こうしてブログ記事にできるのも、『言葉』があるからです。
『言葉』が使えるから、文章を書いて、メッセージを伝えることができます。
しかし、この『言葉』って、結構、曖昧です。
なぜなら、『言葉にできること』と、『言葉にできないこと』があるからです。
何らかの結果や数字で表されるものなどの客観的な事実は、『言葉』することができます。
しかし、好きや嫌いという感覚などの主観的な解釈は、『言葉』にしろと言われても、なかなかできないのです。
後付けで、『なぜ好きなのか?』、『なぜ嫌いなのか?』を、無理やり考えて『言葉』にすることはできます。
でも、例え『言葉』にできたとしても、それが本当に『自分の感じた感覚なのか?』は、分からないのです。
また、モノとしての『言葉』ですら、頭で分っているように思っていますが、実際には、何も分っていないことのほうが多くあります。
<例えば>
下の写真の『ボールペン』の場合を考えてみます。

◆『これは、何ですか?』
と聞かれれば、『ボールペンです』と答えると思います。
◆『どんなボールペンですか?』
と聞かれると、『メーカー名はPILOTで、インクは青色で、ノック式で、太さは0.7mmです』と答えたとします。
◆『他には?』
とさらに聞かれると、『ジェルインクタイプで、価格は100円前後です』とさらに詳しく答えたとします。
大抵これで、分ったつもりになるのです。
でも、実際は、まだまだ知らないことが一杯あります。
<例えば>
◆『どこで作られたのですか?』
◆『いつ頃作られて、どんな経路で販売店に来たのですか?』
◆『誰がこのようなデザインを考えて、誰がこれで行こうと決めたのですか?』
◆『それぞれの材料は、どこから調達しているのですか?』
◆『なぜこのボールペンを作ったと思いますか?』
◆『このボールペンが、今でも売れている理由は何だと思いますか?』
もしも、このような質問をされたら、あなたはいくつ答えられますか?
このように、数え上げれば切りがないくらい、分からないことばかりなのです。
しかし、『自分と関係ないから』という理由で、分ろうとしません。
だから、考えたくないので分った気になろうとするのです。
ちなみに、私がこのボールペンを気に入っている理由は、
◆『力を入れなくても書けるので、長く書いていても疲れない』
◆『このボールペンで文字を書くと、なぜか上手く見える』
◆『7色と多彩なので、書く内容ごとに色分けできる』
こんな理由から長く使っています。
これは、単にモノにおける『言葉』での理解の問題ですが、いろいろな出来事で使っている『言葉』に対してもほぼ同じです。
『言葉』を使う人の事情や興味により捉え方が違うので、このように『曖昧』にならざるを得ません。
この『言葉は曖昧だ』ということに気付くとこができたら、その『言葉』を鵜呑みにするのではなく、『ちょっと分からないので、教えてもらえますか?』と尋ねる必要があります。
また、相手から言われた『言葉に意味がある』と勘違いして、落ち込んだり、嫌な気持ちになることもないのです。
それくらい『言葉は曖昧なもの』として使われています。
では、何を見ればいいのでしょうか?
それは、『行動』です。
『行動』は、正直にその人の本音を表します。
なぜなら、『言葉』でどれだけいいことを言っても、『行動』でそれを示さなければ、ウソになるからです。
でも、『言葉』は便利なので、すぐに『言葉』でごまかそうとします。
『言葉』に頼ること自体は、悪いことではありません。
ただ、『言葉は曖昧だ』ということが分った上で、『行動』しなければ、本当に大切なことが理解できないのです。
もしも、お店でお客さんから『〇〇したい』と言われたら、その『言葉は曖昧だ』と、まず思って下さい。
そして、『どうして、それがしたいのですか?』、『何をするのですか?』と、優しく『これからする行動』を聴いてみて下さい。
お客さんの『行動』を知ることで、こちらがお客さんに対して、本当にしなければいけない大切なことが分ってくると思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則