こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
『むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました』
よくある『昔ばなし』の冒頭の一節です。
では、なぜこのような『くだり』から始まるのでしょうか?
これには、訳があります。
それは、『普遍性』です。
いつでも、どこでも、どこの子どもさんでも、このような『昔ばなし』にしておくと、すべての場合に当てはまり、すべての物事に適するように、暗黙の了解で決められています。
しかし、時代や場所、人物を決めてしまうと、『この子どもさんには当てはまるが、他の子どもさんには当てはまらない』となり、誰にでも伝えられなくなるからです。
この誰にでも伝えようとするやり方は、『昔ばなし』だけに限らず、あなたのお店でも同じことが起こっています。
<例えば>
集客のためのチラシ折込みの場合
チラシ期間であれば、いつでも、どこから来た人でも、チラシが折り込まれた人でも、チラシが折り込まれたことを知らない人でも、どんな人でも、割引きするようなチラシが多いです。
<例えば>
店頭看板やPOP、メニュー表などでお知らせする場合
春夏秋冬、季節が変わっても同じものを、どこの誰であっても関係なく、商品のみを知らせています。
<例えば>
接客中のお客さんに対している場合でも
どんな時、どこで、誰と関わった出来事に対する『悩みや望みなのか?』を聞こうともせず、ただ、お客さんが求めるままに、商品を提供しているのです。
◆『むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんがいました』
◆『それで、この商品が欲しいと言われたので、売りました』
ちょっと極端な例えですが、こんな感じです。
あなたのお店で、このような『昔ばなし』のスタイルで、誰にでも当てはまる接客をしていませんか?
もし、あなたのお店でこのような接客を続けているとしたら、集客のためのチラシも『昔ばなし』のような、不特定多数のお客さんに呼び掛けるチラシになっていると思います。
このように言うと、『えっ、それの何がいけないの?』と、思う方もいるでしょう。
でも、今のお客さんは、『自分の話を聴いてもらえない』、『自分との関わり方が薄い』、『共感してくれない』、そんな親しみのない人からは、モノを買わない傾向があるのです。
特に、再来店してもらいやすいお客さんには、この傾向が強くなっています。
不特定多数のお客さんに呼び掛けて、価格訴求を中心に、割引きを続けるやり方を否定はしません。
しかし、再来店するお客さんを集めたいなら、『昔ばなし』のスタイルを止めて、一人ひとりのお客さんから聴き取り、その内容を整理して、特定少数のお客さんをハッキリさせて呼び掛けましょう。
◆『こんな時に、こんな場所で、こんな気持ちになっているあなたに』
◆『こんな結果になる、こんな方法がありますよ』
◆『これが、その時の写真です』
◆『こんな人達も、こんな事を言っています』
◆『あきらめないで、あなたも試してみてはどうですか』
このように書けばいいのです。
今は、非現実的な『昔ばなし』より、現実的な『お役立ち話』をお客さんは期待しています。
そのためにも、
◆『どんな時に、どんな場所で、どんな気持ちになっているのか?』
共感しながら、聴き取って上げてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則