こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。
先日のブログ記事で、『もっとお客さんに関心を持ちましょう』と、書きました。
これは、『消えていくお客さん対策』と言いましたが、本当は、『もっと再来店してもらいたい』という想いからです。
今来てもらっているお客さんは、『どんな事情で、どんな理由で、来店されているのか?』
まず、『どんな事情で来られたのか?』を知ることから始めました。
お客さんが来られたら、いきなり、自店の商品や技術の説明をするのではなく、『どうされたのですか?』と、お客さんが話しやすい雰囲気を作り、とにかく事情を話してもらいます。
もちろん、『そうなんですね』、『それで困られているんですね』と相槌や共感をして、どんどん事情を話してもらい、さらに、もっと関心を持つには、次の3つの質問をしましょうとも言いました。
◆(1)『どこで』そうなったのですか?
◆(2)『どんな時に』そう感じたのですか?
◆(3)『誰から』そう言われたのですか?
聞ける範囲で、タイミングよく聞くと、さらに事情が分かります。
先日は、こんな感じのことでした。
今日は、『どんな理由で来られたのか?』を知るには、『どう聞けばいいのか?』を考えてみます。
先ほどの、『どんな事情で来られたのか?』を聞く時は、お客さんが何らかの事情を抱えているので聞きやすいです。
しかし、この『どんな理由で来られたのか?』を聞く時は、ちょっと聞きづらいと思います。
なぜなら、変に聞くと、『どうして、そんなことを話さないといけないの』とお客さんに言われそうだからです。
なので、誰にでも聞く必要はないと思います。
例えば、次のようなお客さんが来られた時に、勇気を出した聞いて欲しいのです。
◆(1)『お店が望む行動』をしたお客さんが来られた時
◆(2)『いつもと違う行動』をしたお客さんが来られた時
◆(3)『いつもと違うお客さん』が来られた時
ちょっと説明すると、『お店が望む行動』とは、お店が理想とするタイミングで来店してもらえるお客さんの行動です。
◆(1)『お店が望む行動』をしたお客さんが来られた時
<例えば>
美容室で、ほぼ毎月、定期的に来店されて、『いつものスタイルで』と言われるお客さんの場合
『ほぼ毎月、定期的に来店してもらう』というのは、『お店が望む行動』になります。
なので、『どんな理由で来られているのか?』が分かれば、もっとお客さんに喜んでもらえるのです。
そうは言っても、やっぱり聞きにくいものだと思います。
そこで、『クッション言葉』を入れて、聞きやすくするのです。
『クッション言葉』とは?
→『すみません』
→『ちょっと分からないので』
→『教えてもらってもいいですか?』
聞きたい質問をする前に、クッションになるように先に言っておく言葉です。
これを言ってから聞きたい質問をすると、聞きやすくなります。
先ほどの例でいくと、
→スタッフ『いつもありがとうございます』
→スタッフ『すみません』
→スタッフ『ちょっと分からないので』
→スタッフ『教えてもらってもいいですか?』
→スタッフ『どうして、〇〇さんは、ほぼ毎月来て頂けるのですか?』
◆お客さん『どうしてか?・・・、え~と・・・』
◆お客さん『自分の話を聞いてもらえるからかも』
◆お客さん『気の合うスタッフさんに、話を聞いてもらって楽しい会話ができるって楽しいじゃない』
◆お客さん『こんな1時間も2時間も、お話できるところって、他にないでしょ』
→スタッフ『ありがとうございます。そう言って頂けたら、私も嬉しいです』
こんな感じで、『ほぼ毎月来ている理由』が分かったとします。
このような理由で来店されているお客さんは、意外と多いようです。
理由が分かれば、このようなことが好きなお客さんには、話を楽しく聞いてあげれば、また話がしたくて再来店してもらえます。
手書きハガキでお礼状を書く時も、『また、楽しいお話を聞かせてください』と、ひと言書き足すだけで、それを受け取ったお客さんは嬉しいものです。
◆(2)『いつもと違う行動』をしたお客さんが来られた時
<例えば>
いつもは、『カットとカラー』をされているお客さんが、たまに、『トリートメントとヘッドスパ』だけされる時があった場合
いつもの『カットとカラー』をされる時に、ちょっと聞いてみます。
→スタッフ『いつもありがとうございます』
→スタッフ『すみません』
→スタッフ『ちょっと分からないので』
→スタッフ『教えてもらってもいいですか?』
→スタッフ『たまにトリートメントとヘッドスパだけの時がありますが、どうしてですか?』
◆お客さん『あ~、あれね』
◆お客さん『あれは、ちょっとイヤなことがあった時とか、仕事でストレスが溜まった時に来るのよ』
◆お客さん『頭を洗ってもらうのって、結構気持ちがよくて、いい気分転換になるの』
◆お客さん『髪の毛もサラサラになって、手触りもよくなり、なんだかワクワクするのよ』
→スタッフ『あ~、そうだったんですか、ありがとうございます』
→スタッフ『それでしたら、今度は、気持ちが落ち着くハーブティを用意しておきますね』
こんな感じで、『どんな理由で来られたか?』が分かれば、次の時に喜んでもらうお話もできます。
◆(3)『いつもと違うお客さん』が来られた時
<例えば>
・いつもは、お母さん一人が来られていたのが、今日は娘さんと一緒に来られた場合
・いつもは、奥さんが来られていたのに、今日はご主人さんがこられた場合
・いつもは、主婦層のお客さんが多いのに、今日は若年層のお客さんが多い場合
ちょっと聞くだけで、『どんな理由があるのか?』が分かります。
本人の事情や理由、家族の事情や理由、仕事の事情や理由など、お客さんに関心を持てば、知らないことが分るようになるのです。
事情や理由が分かると、プロとしてのお手伝いやお役に立つことができます。
『もっと再来店してもらいたい』という想いを伝えることもできるのです。
なので、もっとお客さんに関心を持ちましょう。
あなたの知らないお客さんが見えて来ますよ。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則