もっとお客さんに関心を持ちましょう | 値上げができる店頭看板の考え方・作り方

値上げができる店頭看板の考え方・作り方

もしも今、みんながサボらず一生懸命働いていて、利益が思うように出ていないのだったとしたら、それは単価が低いのが原因です。思い切って値上げをしてみませんか? 店頭看板を通じて、値上げができる考え方をお教えします。

こんにちは、販促相談員の伊丹芳則です。



突然ですが、1年間で、どれくらいのお客さんが、再来店せずに消えていくと思いますか?

急に聞かれても困りますよね。

この再来店せずに消えていくお客さんの数を、ハッキリ数値で意識しているお店は少ないようです。


お店の状況によっても変わりますので、一概には言えませんが、大体の目安として、『15%~35%』くらいと思っています。

1年間で、再来店せずに消えていくお客さんの数が、『35%』というと、結構大変な数字です。

計算上で考えると、『35%』というのは、約3年でお客さんが入れ替わることになります。


<例えば>

1年間に1回以上来店された『総顧客数』が、2000名として、『35%』だと700名が再来店せずに消えて行くことになります。

新しいお客さんを700名増やして、ようやく現状維持です。

こんな場合は、早急に『再来店対策』が必要になります。


それで、このようなお店の『お客さんへの関心度』を調べたいと思い、次のような質問をしました。



このお客さんは、

◆『どんな事情があって、どんな理由で、来店されているのですか?』

◆『結果どうなって、どんな気持ちを持たれているのですか?』


と質問すると、『いや~、分かりません』


こんな感じのハッキリしない答えばかりでした。


その代わり、このお客さんは、1年間で、

◆『いくらの金額を使って』

◆『お店に何回来て』

◆『1回当たりいくら使った』

ということなら分かりますよとの返答でした。



私は、『なるほど』と言うしかありません。



『なるほど』、だから、『再来店せずに消えていくお客さんが多いのか?』

『お客さんのことに全く関心がなく、お客さんのことが分からないから、再来店されないのか?』

と確信しました。



では、『もっとお客さんに関心を持つには、どうすればいいのでしょうか?』


先ほどの質問にもありましたが、まず、『どんな事情で来られたのか?』知ることから始めたいですね。


お客さんが来られたら、いきなり、自店の商品や技術の説明をするのではなく、『どうされたのですか?』と、お客さんが話しやすい雰囲気を作り、とにかく話してもらいましょう。

もちろん、『そうなんですね』、『それで困られているんですね』と相槌や共感をして、さらに話やすくすると、お客さんはどんどん事情を話してもらえます。

さらに、もっと関心を持つには、次の3つの質問で話を聞かせてもらうといいですね。

◆(1)『どこで』そうなったのですか?

◆(2)『どんな時に』そう感じたのですか?

◆(3)『誰から』そう言われたのですか?


聞ける範囲でいいので、タイミングよく聞くと、さらに事情が分かります。



<例えば>抜け毛の悩みで来られた30代後半の女性に対して

◆お客さん『ちょっと抜け毛が・・・』

→スタッフ『どうされたのですか?』

◆お客さん『最近、気付いたの』

→スタッフ『どこで、気付かれたのですか?』

◆お客さん『お風呂の排水溝のフタの周りとか、ブラッシングしている洗面所とかです』

→スタッフ『お風呂と洗面所でですね』

◆お客さん『そうなのよ』

→スタッフ『どんな時に、一番気になるのですか?』

◆お客さん『セットしてもボリューム感が出ないし、この間、友達から、ちょっと薄くなったんじゃないと、言われたのよ』

→スタッフ『えっ、お友達から、そんなこと言われたらショックですね』

◆お客さん『そうなのよ』



こんな感じで、お客さんに関心を持つだけで、色々な事情が分かります。

事情が分かると、お客さんが何を求めているかも想像できるようになり、お客さんに喜んでもらえる解決策も提案しやすくなります。


たったこれだけの会話ですが、事情が分かると同時に、共感して聞いていますので、距離感もどんどん縮まってくるのです。


このような関係が続けば、再来店も期待できます。

『再来店せずに消えていくお客さん対策』のためにも、もっとお客さんに関心を持って下さい。

全ては、ここからです。

お客さんは、関心を持ってくれるお店に、またやってきます。





最後まで読んでいただきありがとうございました。
伊丹芳則