ぼくとかき氷 -3ページ目

ぼくとかき氷

食べたかき氷の記憶を文学的表現で記してゆく





 気がつくと無心でアクセルを踏んでいた。こんな経験はいつ振りだろうか。


 辿り着いたのは手賀沼の近くにひっそりと佇む小さなお店、『吉岡茶房』だ。

 店の前にはカップルが腰をかけて並んでいた。椅子の上に置かれた用紙に名前を記入して待つこと10分、店の中へ案内された。





 美人な店員さんと、やけにガタイの良い店長
 どこか懐かしい雰囲気の店内にはたくさんの珈琲が。どうやら珈琲にこだわったお店らしい。


 メニューを開いて真っ先に目に飛び込んだのはイチゴだが、期間限定の4文字にそそられた私はウバハイランドミルクを注文した。



 待っている間のわくわくを抑えながら、店内の装飾に目をやった。これもまた楽しい。


 5分ほどでかき氷が届いた。すかさず写真をパシャり





 一口くちにすると、上品な紅茶の香りと深みが口の中で広がり、まるで貴族達が口の中で踊り始めたようだ。

 3分の1程掘りすすめたところでミルクをかけてみた。氷が沈んでいく。途端に貴族達は踊るのをやめた。わがままな子供のような甘さが出てきたのだ。私は迷いなく全てのミルクをかけた。ミルクティーの風味が口中に広がる幸せを黙々と噛み締めた。


 底の方に溜まってきた紅茶達を搔き上げると、あんなに騒いでいた子供達は嘘のように静かになった。大人へと近づいたのだ。

 紅茶の深みとミルクの甘みが見事に中和され、我が子が成長していくかのような感動を覚えた。


 さて、明日はどの店に行こうか