昔、自分の胸が大嫌いだった。
「男みたい」と言われたこともあるし、「奇形みたい」と言われたこともある。笑って流したこともあったけれど、言葉は思っている以上に残るもので、いつの間にか、自分でも自分の胸をそういう目で見るようになっていた。
もう仕方ないんだと思っていた。生まれつきなんだから、体質なんだから、胸は大きくならないんだから。そうやって諦めてしまえば、期待しなくて済むから。
それでも、心のどこかではずっと、自分の胸を好きになりたかった。
だから、少しずつでもできることをやってみた。身体のことを知って、触れ方を変えて、下着を見直して、自分の身体と向き合っていった。最初から何かを信じていたわけじゃない。ただ、もう一度だけ、自分の胸を諦めないでみようと思った。
そして、本当に変わっていった。
太ったからではない。身体全体を大きくしたわけでもない。それでも、胸の形も、ボリュームも、見え方も少しずつ変わっていった。
何より変わったのは、自分だった。
鏡を見るのが嫌じゃなくなって、着たい服を着てみようと思えるようになった。「私の身体も、まだ変われるんだ」と思えたことが、自信になった。
あの頃、誰かに「胸は変わるよ」と言ってもらえていたら、どれだけ救われただろうと思う。
だから今、同じように自分の胸を諦めている人に伝えたい。
太らなければ胸は変わらない、年齢だからもう無理、生まれつきだから仕方ない――そんなふうに、自分で可能性を閉じてしまわないでほしい。
もちろん、誰もが同じように変わるわけじゃない。けれど、身体にはまだ、自分が知らない可能性がある。
私自身が、諦めていたところから始めて、変わることができたから。
だから私は、胸は変わるということを伝え続けたい。
昔の私と同じように、自分の胸を好きになれずにいる誰かに、ちゃんと届くように。
胸が変われば、人生がすべて変わるわけじゃない。
でも、鏡の中の自分を、少し好きになれる。
その小さな変化が、いつか自分の人生を好きになることにつながっていく。
私は、それを知っている。