名前だけ聞いても、自然崇拝なのかアニミズムなのか神話に登場する神なのかピンとこない謎の神様がおります
ゲーム界隈では有名な・・
『アラハバキ神』です
よくアラハバキ神のイメージにこの遮光器土偶が使われていますが、アニメやゲームの影響でしょうか
元は、青森県在住の和田喜八郎が自宅で発見したとされる『東日流外三群誌』(つがるそとさんぐんし)という歴史書の内容に、遮光器土偶がアラハバキの御神体と記されていたことが発端のようです
遮光器土偶は、青森県つがる市にある亀ヶ岡石器時代遺跡で出土されています。
東北の縄文時代に崇拝されていた神様が遮光器土偶。
そしてアラハバキ神であるというイメージがすっかり定着しちゃっていますね現在も。
(岩手でも遮光器土偶が出土しています)
残念ながら完璧に『偽書』の烙印が押されている文書ですが
東北人にとって太古の昔、日本の中心は
東北のアラハバキ王国であったというロマンを捨てきてれておりませんが・・・
このアラハバキはとっても古い時代の土着の神様で、出雲を追われ東北へ逃れた人たちが信仰していた神と言われています
出雲族と呼ばれる人々は『龍蛇信仰』だったようなので、アラハバキは龍蛇神なのかも
また、龍神様の登場ですね
このアラハバキを祀ってる神社が岩手にもあるという事で、以前参拝した記憶をひっぱり出してご紹介したいと思います
【丹内山神社】参拝レポート
かなり雰囲気のある神社です
小高い山の方にありまして、人の気配もなく熊さんが出てきそうでした
【アクセス】
岩手県花巻市東和町谷内2区303
・花巻駅からタクシーで20分
・東北本線花巻駅から釜石線乗り換え土沢駅からタクシーで10分
・釜石自動車道 東和インター・江刺田瀬インターから車で10分
ご祭神
多邇知比古神(たにちひこのかみ)、天之御中主神、高御産日神、神御産日神、宇麻阿志備比古遅神(うましあしかびひこぢのかみ)、天之常立神
ご利益
交通安全、商売繫盛、学業成就、安産など
ご由緒
東和町東晴山の滝沢の滝に出現した赤子が、猿ヶ石川を渡り、赤子這山を登り頂上で丸い石をとって乗り、この石を転がして止まった所にわれは住むと誓って石を転がしました。
その石が止まった所が現在の丹内山神社です。
里人たちは地域を守ってくれる神として社を建てて祀りました。
834年頃、弘法大師の弟子、日弘によって創建され不動尊を御堂に納めました。
819年坂上田村麻呂が東夷追討の祈願し、1063年源頼義・義家親子が安倍貞任追討の祈願後に義家が八幡神社・加茂義綱が加茂神社を建立しています。
藤原清衡、南部利敬らも厚く信仰されました。
天地開闢の神様が祀られいます
アメノミナカヌシ様
爺杉の根(市指定文化財)
もとは高さ60m、根本の太さ12.2m樹齢2000年を超える巨木だったが、大正2年に焼失し現在は根だけ残しているそう。
この根っこだけ見てもかなり大きいので、今は見ることは無いような巨大な木だったと思います
本殿です。
本殿まで登っていく途中にある『丹内観音堂』が修繕工事に入っていたようで足場が組んでありました。(8月頃の記憶)
ひとり中年の男性が歩いてきて、人間だよね??と疑ってしまう位に静まりかえった神秘的な境内だったので
あいさつをしたら返してくれて、少し世間話をしたのでちゃんと人間でした(笑)
作業服だけど宮司さんだったのかも
『肌石』
丹内山神社の名物『境内の七不思議』の一つです。
この石にはなぜか雪が積もらないそうです不思議~
その他の七不思議はこちら
①どんなに寒くても境内の建物につららができない
②境内に竹が生えない
③『肌石』と呼ばれる石には雪が積もらない
④どんなに日照りが続いても水が枯れない鉢がある
⑤本殿脇障子に彫られている唐獅子をなめると居眠りしない
⑥境内にある銀杏の葉は強風でも境内の外に散らない
⑦爺杉の幹に桐の木が生えた
これは、、、強力な結界が張られていると見て間違いないですね
お越しの際には、ぜひ探してみてください
アラハバキ大神の案内板です
かの物部氏も信仰していたのですね
製鉄の産地にはアラハバキが祀ってあると言われておりますが、まさかの物部氏が持ち込んだとか
本殿の横の奥に小道があり、少し登っていくと裏側に隠されて信仰されてきたような場所にあります。(いつもご神体を隠されている金精様のように・・・
出ましたアラハバキといえば磐座信仰高さ4mほどあるアラハバキ大神の巨石です
がっしりしめ縄が張られた岩から木が生えています。すごい迫力
安産祈願の『胎内岩』としてご利益があるそうです
女性が壁面に触れずに穴をくぐり抜ければ子宝に恵まれ安産とされ、男性は幸福がくるといわれています
\岩手の子宝神社のまとめ記事です/
しかし、坂上田村麻呂や八幡太郎が蝦夷討伐祈願をしていますけど
侵略される蝦夷側の阿弖流為(あてるい)たちこそ元からアラハバキを信仰していたのに・・・皮肉なものですね
阿弖流為たちの無念さを想像すると、いつも涙が出そうになりますなぜでしょう。。
岩手出身の作家 高橋克彦著『火炎(かえん)北の燿星アテルイ』を読んでから、阿弖流為のファンになってしまいました
アラハバキ神社の他にも末社がたくさんありました⛩
駒形社、八幡神社、賀茂神社、雲南神、安産の神、疱瘡の神など。
写真を消してしまってアップできませんが。。
けっこう広い敷地ですので、他にも見どころはたくさんありました
それでもやはりアラハバキ大神の存在感は、客人として神格を下げられようと隠しようがない神秘的なパワーを感じました
昨今、瀬織津姫と同じようにアラハバキにもどんどん注目が集まってきてると思いませんか
『丹内山神社』への参拝客も、メインはアラハバキ大神ではないでしょうか私のように、、
歴史から誅殺されようが、末社摂社客人に下げられようが、世の中の流れが主役級の神様に押し上げようとしているのを感じます
ところで、2000年代から東北で『あらばきロックフェス』って野外音楽フェスが毎年開催されていますけど、良いネーミングですよね
縄文の精神とロックって、通ずるものがあると感じるのは私だけかしら
まだまだ謎解きが止まらないアラハバキ神ですが、皆の祈りの力で封印が解かれることを願います