こんばんは、Atsushiです。

今日は革の染めの話です。
今まで書いた鞣しの話は作り手にとって重要であっても完成した物を買うユーザーにとってはあまり関係の無い話でしたが、今回は革物を使う人全員知っておいて損は無いと思います


革は元々は生きていた動物なので、本来はその生物の肌色をしてます。
牛や豚は着色を施してない皮は、勿論肌色です。
これを鞣して洗うと白に近い肌色になります。

色の着いた革は着色によって色付けされる訳ですが、着色は主に二つの方法に分かれます。

◆染料染め
水等で溶かした染料に漬ける、もしくは塗って染めます。
革の中まで染料を浸透させたものを芯通しと呼びます。
染料で染めた革は表皮(吟面と呼びます)にある傷・トラ・血筋等はそのまま残ります。
革本来の表情をそのままに着色する技法です。

・良い点
 革らしい風合いがある
 経年変化で味が出る
 
・悪い点
 水や傷、汚れに弱い
 紫外線や熱、経年変化に弱い
 色移りしやすい

といった特性があります。
表面にロウを塗ったりして弱点を克服した加工もあったりしますが、それはまたの機会に説明します。

◆顔料染め
顔料と溶剤等を混ぜた塗料で塗ったもの。
顔料は染み込まないので、基本的には革の表面に塗装された状態になります。
革表面にあるトラ等消せるので大量生産品に使われる事が多いです。

・良い点
 水や傷に強い
 トラや傷が消せるので革の無駄を省きやすい
 紫外線や熱、経年変化に強い
 色移りしにくい(塗料による)

・悪い点
 革本来の風合いが無い
 塗膜が剥がれたり割れる事がある

元々の革質はあまり問わないので、そもそも革である必要があるのか・・・と私的には思ったりもします。
顔料染めの製品は実際トラブルも多いです。
塗装がひび割れや剥離した鞄はよく見かけますし、そうなった革を修理するのも大変です。


染料染め・顔料染め、共に長所と短所があります。
用途に合わせて選べばより相性の良い物に出会えると思います


藍蘭堂アクセサリー工房
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