こんばんは、山田愛子です。


長年お世話になった名古屋国際ホテルが無くなりました。



名古屋国際ホテルは
1964年の開業以来、56年間営業を続けてきましたが、建物賃貸契約満了のため
2020年9月29日をもって、営業終了となりました。


私は約7年間ほど、こちらのホテルのスカイラウンジにてピアノを弾かせていただきました。

私が高校生ぐらいの頃だったかな、
ホテルの正面玄関にピアニストの写真が
大きく貼られていて

「かっこいい…。
私もこんなところでピアノが弾けるように
なれたらいいなぁ〜」と憧れていました。


それが7年前に叶い、本当に嬉しかったです。
紹介してくれたのは佐藤奈菜ちゃん。
彼女は10年以上こちらのホテルで演奏している
ピアニストでした。


7年間、週に1回の演奏でしたが
こちらでは本当に色んな出会いがありました。

嫌なことなんて、特にないかも。
良かったことしか思い出せません。


ホテルがなくなることは
1年半前ぐらいから知っていたので
最後に奈菜ちゃんとライブをしたいねと言っていました。

しかし、世界的に大流行してしまった
コロナウィルスの影響で、
今年の4月から毎夜行われていた
ピアノの演奏は中止になり
ライブが行えるかはわからない状態が
ずっと続きました。

それが、ようやく8月になって、
少人数での開催なら可能となり、
9月26日に無事、ライブを行うことができました。








名古屋国際ホテルには、私と奈菜ちゃんの他に
もう1人超ベテランのピアニストがレギュラーでいました。

その方は、私が高校生の頃に見た正面玄関の写真に
写っていたピアニストの矢野さん。

30年以上、ずっと名古屋国際ホテルで
演奏をされていました。


ご病気で、今年の4月に亡くなってしまい
それはちょうどホテルの演奏が中止になった頃。


最後のライブでは
そんな矢野さんへの追悼の意味も込めて
演奏を行いました。



「こんな素敵なお店はない」
と長く通い続けた常連さんたちは
口を揃えておっしゃいます。

昔は、芸能人も通っていて
敷居もかなり高い場所だったスカイラウンジ。

その高級感と大人の空間の雰囲気は保ちつつ
なんだか懐かしい落ち着く場所でした。


ピアノのインスタライブも、実は
ここでやり始めたのがキッカケです。


筆ペンとボールペン字を始めたのも
実はここの仕事がキッカケ。

当時OLとして働きつつピアニストもしていて
17時に仕事が終わり、演奏は20時30分から。
その間に何か有意義な時間の過ごし方として見つけたのが字を習うこと。

今でも通う筆ペン教室は時間や場所的に
とてもちょうど良かったのです。



最後のライブが終わった後は
ホテル名物のヒレカツサンドを
いただきました。

この味ももう最後か…
と思いながらしっかり味わいました。

たまにお客様にご馳走してもらい
何度か食べましたが胃にもたれないから、
ペロリと食べられてしまう。






色々なキッカケや出会いが生まれた
その場所はもうなくて
今は、思い出の中にしかありません。

大切な場所だと思ってくれる人
大好きな場所だと30年以上通い続けた人がいる中で
最後にライブができて本当に良かったです。



名古屋国際ホテルのピアニストになれて
幸せでした。

心からの感謝を込めて。


山田愛子