歴史は『鏡』=未来への『道しるべ』

『歴史は繰り返す』という人もいます。『歴史は繰り返さない』という人もいます。
どちらが正しいのでしょうか。
歴史は、いうなれば、人類の傾向性、因果性、科学性です。『人類の統計学』とも言える。
たとえば、天気は完全に予測することはできないが、統計学的にとらえて傾向性を見ることができる。人間の心も、よくわからないが、歴史を追ってゆくことによって傾向性を見ることが出来るのです。
だから『歴史』の研究は、『人間』の研究と言ってよい。とくに、全員が歴史家になるわけではないのだから、大切なのは、歴史を『鏡』として、未来をどうつくっていくかということなのです。
諸君が新しい歴史をつくるのです。『鏡』がないと、自分の顔も姿もよくわからない。『鏡』があれば、ここはこうすればいいとわかります。
日本では古来、歴史書を『鏡』と呼んできた。『大鏡』とか『今鏡』『水鏡』『増鏡』と。
『歴史は大事だ。歴史は、過去から現在、現在から未来へ、より確実に平和をめざし、人類の共存をめざす道しるべとなる』と言われていた。
今、残っている歴史の全体を、個人で把握することは、なかなかできない。だから大事なのは、歴史観をしっかり身につける事なのです。
歴史を通して、人間の悪い傾向性を知れば、気を付けて、悪い歴史を繰\繰り返さずにすむ。悪い歴史を繰り返すのは、『歴史の教訓に学ばなかったから』とも言える。