べき思考

 

 

という言葉を聞いたことがあるだろうか。おそらく働く人の健康とかなんとかに詳しい方ならご存知だが、物事が「こうあるべき」といういわゆる固定観念のことである。多分、私はこれが常人のそれと比べて非常に強い。

 

一般的には正すべき思考として語られることが多いが、私にとってこれは成長のエネルギーでもあった。「xxxさんはここまでできてるんだから、私もここまでできるべき。(頑張ろう)」「だらだらと後回しにしないで、いまやるべき」など、自分を律する力として、小さい頃から現在に至るまで、常に私の背中を押してきたと言っても間違いではない。

 

一方で、これが辛くてたまらないときもある。それは、特に相手に対して発生するときに起こる。仕事ができない人、礼儀がないと思う人、そんな人に向かって「40歳すぎて、そんなこともできないの?」「社会人として優先順位間違っているんじゃないの?」「そこがあなたの仕事じゃないの?」という負のエネルギーがぐわっと生まれて、あっという間に自分を捕まえる。大したことでなくても、それをもんもんと引きずり、ストレスを感じ、自分のパフォーマンスを落とし、またフラッシュバックのようにいやな気持ちを何度も再現するんだから重症だ。

 

外から見るとただの性格悪い人だと思うが、それの多くは自分と他人を縛る「べき思考」からきていると最近感じる。これを変えるのが本当に難しい。最近はそういったべき思考から生まれる負のエネルギーを感じて、髪の毛をいじりだしたら、「いかん!!」と思って、「他人には他人の価値観、完成度、実力、背景があるから」と言い聞かせて、頑張っている子犬をイメージするようにしている。それはそれで失礼か。。。でも、初めて一度気持ちがすうーっと落ち着いたので、これは小さな一歩と呼んでいいのではないだろうか