もうすぐ七夕ですね。

今日は、中国の七夕伝説を
絵本化した作品をご紹介します。


『たなばた』(福音館書店)
再話 君島久子
絵 初山滋

牛飼いは、
川で水浴びをする
織姫の着物を隠し、
結婚を申し込みます。

二人は、子供を授かり、
人間界で幸せに暮らして
いましたが、

天の王母さまが
そのことを知って怒り、
織姫は天に連れ戻されます。

牛飼いと子供たちは
織姫を追いかけます。

彦星と織姫星が
年に一度だけ逢うという
言い伝えは、

2世紀頃の中国の古詩まで
遡ると言われています。

それが日本に伝わり、
7〜8世紀の歌が収録されている
『万葉集』にも、

それを題材にしている歌が
幾首も載っています。


今日はこの絵本の絵を描かれた
画家、初山滋さんについて
ご紹介したいと思います。

初山滋さんは、
1897年生まれの童画家で、

独自の線と色彩感覚で、
和洋いずれともつかない、
独創的な美しい絵を
描かれました。

菱川師宣や喜多川歌麿などの
浮世絵を好み、
その伝統と美意識が
彼の絵の根幹になっています。

木版画の作品も多いです。

作品を制作するときは、
ほとんど外出せず、
日付がわからなくなるほど
のめり込み、

同じ姿勢で製作を続けたために
立てなくなってしまったり、
目を痛めてしまったりするほど
だったそうです。

全身全霊で
制作される方だったのですね。

この絵本は
初版が1963年なので、
初山滋さんが65歳頃の時の
作品です。

ちなみに
君島久子さんは、
1925年生まれの
中国文学の研究者で、

『西遊記』や
『王さまと九人のきょうだい』
など、多数の中国の昔話や民話を
翻訳・研究されている方です。

長く語り継がれているお話や
長く読み継がれている絵本を
ずっと大切にしたいですね☺️