「今すぐに仕事につながるか
 どうかは考えず、

 好きなことを極めることで
 食べていける世界になる」

最近よく聞くフレーズです。

本当かなぁ?

本当に、
私はこのまま絵本や本を
深堀りしながら、
夢中で読んでいていいのかな?

不安になるけど、
好きだから続けてしまいます。

他のお金になりそうなことを
押しのけてでも、
そのことに時間を
使ってしまいます。

そんなとき、
この絵本に出会いました。

好きなことを極めて、
幸せな人生を送った人の実話です。


『あたまにつまった石ころが』
(光村教育図書)
文 キャロル・オーティス・ハースト
絵 ジェイムズ・スティーブンソン
訳 千葉茂樹

彼は、子どもの頃から
石を集めるのが大好きでした。

周りの人たちから、

「あいつは、ポケットにも
 頭の中にも石ころが
 詰まってるのさ」

「石ころじゃあ、金にならんぞ。」

と、からかわれても、

「うん、そうかもね。」

柳に風と受け流し、
石を集め続けます。

大人になって
博物館に通ううち、
館長さんに話しかけられます。

館長さんは、
彼の石に対する知識の深さと
石のコレクションの豊富さを認め、

彼は博物館で働けることになります。

この絵本の作者は、
主人公の子ども
(おそらく娘さん)ですが、

あとがきで、
主人公が後に博物館長に就任した
ことが書かれており、

「父ほど幸福な人生を送った人を
 私は他に知りません。」

と結ばれています。

この結びの2行を読んだとき
涙がこみ上げてきました。

人と比べず、
私は私の道を行こう、

と思いました。