私の家に伝わる武道の極意に「おはぎと手打ちうどん」の例え話があります。昔、ある武士が山越えをしているうちに夜なり、老夫婦の家に泊まらせてもらうことになりました。少し経ったころ、となりの部屋で、お武家さんにたいして、半殺しにしてやるか、それとも手打ちにしてやるかと相談してしている夫婦の声が聞こえてきました。それを聞いた武士は怖くなって逃げ出しました。おはぎにするか手打ちうどんで持てなすかの相談を勘違いした武士の話ですが、武術では半殺しにして手打ちにします。合気道も半殺し「崩し」てから手打ち「技を掛ける」にします。最初の動きで相手を崩して技を掛けることが大切です。