後の先(後出しじゃんけんのタイミング)は相手の攻撃に対して、いつ攻撃に移るか、五分五分の場合は動くのは危険であるし、早く動くと相手は軌道修正して来る訳で、後の先が成功するか、失敗するかはいつ動くかにかかっている訳ですから、このタイミングについて理解する必要がある。馬庭念流は後手の剣として発展したので、その伝書を参考にすると「当流には脱けと云う業あり、その脱けの業は七分三部と知るべし。敵七分打ち出す処へ我三分なる体中剣〔正眼の構え〕の正直にて、敵の太刀の右方に進めば、自然に脱けることも得」とあります。これ「七分三部の見切り」は相手がやったと思うぎりぎりの距離であり、それよりも早くても遅くても相手の次の対応を許したり、自分が対応できなかったりしてしまいます。佐川語録では「合気の剣は触られたら出る。打つ、張る、落とすなどしたときは必ず動いている。」「掛かりに対して流れるように後の先をとる。」これを頭に入れてしっかり稽古する。相手の攻撃を待つということは積極的な守りであり、呼び込むことは「気持ちに余裕のある精神力、技量」がなければなりません。