正勝、悟勝、勝速日(まさかつ、あがつ、かつはやひ)という三語は植芝翁が理合の要諦を端的に啓示したところの、翁独自の成語だそうです。その意は「正勝」とは正しい義をもって不義なるものに勝つべき信念、「吾勝」とは己の我執我欲を克服してすなわち己に打ち勝つべき信条のこと。そして、「勝速日」とは実践はいっさい遅疑逡巡することなく一瞬にして相手を制すべき機先の動のことを言う。勝負の場において死に体とは相撲用語で体勢が崩れて反撃できない状態を言います。

一瞬にして相手をいかに崩し、死に体にするかの稽古が「戦わずして常に勝つ」の境地にいたりうるとする啓示といわれています。


 
多人数掛け