植芝盛平翁の甥で井上鑑昭という人が創始した親英体道で宇宙に実在する「親和力」という力に基づいて胆力を鍛えることに気づき、合気道より技が簡略化され、気の流れがより明確化されています。合気道では気の流れを利用して、固め技や投げ技に移行するが、親英体道では気の流れの中において技が展開されるとのこと。例えば入身ですが、相対したとき、みんな反射神経と運動神経でやっていますが、親英体道の世界ではそれでは駄目。入身に入る時には身体としてはいる以前に、相手とぴたっと一緒になっているという親和の世界があるんです。いわゆる水火〔イキ〕の流れの世界。そしては入ったときにはもう既に和合の世界なんです。だから共に世界が描ける。井上先生は相手を意のごとくにうごかすというような言い方をしていた。という事です。これは相手に対しての気持ちの持ち方です。私が稽古の説明の中で、入身について、相手の側面に思い切り飛び込んだり、当身を入れながら入ったりしないと説明していますが、相手をいかにやっつけようかと考えているのではなく、いかに向かい入れるかと言う発想の転換です。この発想の転換によって、相手に対しての殺気、嫌気がなくなります。すると親和の世界が生まれ、相手を意のごとくについてきてくれることになります。