なんでも鑑定団は想定外、意外性で人気がある。先日の放送では、武田信玄の書状に、信玄の有名な家来のサインが並び、花押まである立派な古文書で誰も疑うことがはばかれる立派なものでした。判定は幕末から明治に流行った偽物でした。私も若い頃 新田一族の子孫と称する人達にアンケート形式で集めた資料を纏めた 新田一門史発刊に関係したことがあり、多くの偽系図、偽古文書、偽のお墓を調査しましたが、確かに幕末から明治にかけて偽造が多かったことを思い出します。戦国時代は徳川を初め多くの武士の偽系図は普通に作成されています。本物の古文書でも、自分の家を立派に見せるために改ざんすることは普通にあることを学者から聞いたことがあります。竹内文書を初め、多くの偽書がまかり通っていますが、これがなぜか面白いし、魅力的です。武術についても同じようなことが起こりうることです。触れずに倒す先生は魅力的ですが、映像技術で直ぐに偽画像が作成が可能ですし、演武では受けがうまく合わせれば超人的な演武が可能です。この世の中は残念ながらフェィクに溢れています。本物を探すには目で確かめるのではなく、体で確かめる必要があります。それでも騙されるかもしれませんが。ただし、武術の術には欺(だまし)しも含まれますのでややこしいのですが、人間の体に関する 心理、生理、物理、医学等勉強する必要が出てきますが、経験を積むことで上達するのが日本の方法です。
いにしえをかんがみていまをてらす。

昔の名人、達人を参考にして稽古をする。