合気道関係者は体術の上に剣術を置いている傾向があるように感じられます。確かに昇段試験の科目には二段以上に剣の科目が入ってきます。私の考えは初心者には剣の操作を体得してもらい、後に体術に進むのが良いと考えています。基礎が剣術で応用が合気道という考えもあっていいと思います。私が所持する林崎流居合目録(元禄三年発行)に「柄取りの事」つまり太刀取りが出ています。 新陰流の無刀取り、大東流も合気道も本は剣術から体術に移行した武道です。合気道はすでに体術として確立しているので剣については重きを置かない傾向が主流です。稽古の多くは公共施設ですから剣や杖を指導する環境にはありません。立ち方、座り方、入り身、転換、受けと取りの手の使い方は古武道から来ています。素手で理合を追求することはできないとは言いませんが私の道場では剣体一致が稽古の中心です。

   

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