人は騙されやすい、人は全てを見ているようで見ていない。マジックはそれを利用して錯覚を生み奇跡を生む、つまり奇術(マジック)。人は一つの事(部分)に集中していると他の物、事が見えなくなる。合気術はこの錯覚を利用する。演武や講習において多くの人の目は演武者や師範の上半身の動き、受けの動きに集中している。だが、本物の達人は一般の人が見ている部分は動いていないことが多い。達人の技を見て盗む、真似ることは大変難しい。見えない部分に極意が潜んでいるのだから。合奇術と考えると謎が解けてくる。受けの教育を優先する師範はだますのが上手な指導者かもしれない。力抜きの合気は 「取りが受けの抵抗を無力化するためには」「相手の脳をだます」必要があります。だまさないと抵抗されてしまいます。口でだますのは嘘、体の動きでだますのは合気、つまり、チカラ技では相手の脳は虚実の実、チカラで無い抜きの合気は虚。指導者の中には受けに対する要求(私に合わせること、柔軟な受けを要求する、私の動きを感じて動くこと、私の気持ちを察して動くこと、掴んだ手は離さない、そのためには体を柔軟にしないと離れてしまうのでそのように対応すること) という指導を受けた人の入門はよくあることです。道場では人気者です。


 稽古今を照らす(いにしえをかんがみていまをてらす)意味 昔の達人を参考にして現在を見つめよ